仕事でもプライベートでも、現代人にとって活字に触れる機会は多い。本書はそんな時代を生き抜く上で役立つ「速読」を、ドリル形式で易しく練習することができる1冊だ。
「速読の関連本の中には、理論の説明が多く、具体的にはどうやるのか、理解するまでに時間がかかるものもありました。『速読は楽しみながら問題を解くことで上達する』というのが著者の考えでもありましたし、実際に著者が運営する教室では楽しく解ける問題が多く出題されていたので、その部分を書籍の軸にしようと考えたんです。190ページほどの本ですが、およそ3分の2を練習問題に割いています」(担当編集者の大島永理乃さん)
問題に、長文を読ませるものはほとんどない。イラストの間違い探し、文字の並べ替えなど、クイズのようなものが大半。小さな子供から活字が苦手な大人まで、幅広い読者が気軽に触れられるよう意識して編集したという。その細やかな配慮がヒットに繋がった。
「都内の一部の書店で、本の問題を抜き出したパネルを設置してもらったんですが、その店舗の売上が他店に比べて圧倒的に高かったんです。お子さんやお孫さんを連れた方が一緒にパネルの問題を解いて、そこから興味を持って購入されることが多かったようです」
速読が身につくだけでなく、親子の会話のきっかけにもなりそう。シリーズ第2弾も好評発売中だ。
2015年8月発売。初版8500部。現在18刷10万3000部