親からの反対
――ドリフトのドライバーになることに対して、親御さんはどのように反応していましたか?
下田 やっぱり最初は反対されました。私のお母さんは昔シルビアに乗っていたくらい車が好きなんですが、私に対してはかなりの心配性で、昔から「女の子なのに痣できちゃった!」とか、すごく大事に接してきていたんですよ。
それで、「ドリフトのドライバーになりたい」って伝えた直後も、心配で、こっそりサーキットまで見に来ていたらしいんです。その日帰宅すると、「女の子なのに顔に傷ができたらお嫁に行けなくなっちゃう」「心配だからやめてほしい」と言われました。
――親御さんの気持ちも理解できます。どのように納得してもらったのでしょう?
下田 やっぱり反対されるよなぁと思いつつ、「申し訳ないけどこれは私の人生だから私に決めさせてほしい、人生を賭けると決めたことだから」ということを伝えましたね。その言葉だけでは納得してもらえなかったのですが、毎日のようにサーキットに通っていると、最終的にはお母さんも「まぁこの子はそういう頑固なところがある子だしな」みたいな感じで認めてくれたという流れでしょうか。
結局、今では競技も見に来るし、SNSやYouTubeも毎回チェックしてるし、なんだかんだ一番応援してくれる存在ですね。
チームスポーツとしてのドリフト
――お母様からの応援はもちろん、競技のなかで周囲からの応援は大きな力になりますよね。
下田 そうですね、競技をしていても、目標に向かってチームが一丸になっている時が、一番満たされているかもしれません。競技のなかではドライバーにスポットが当たりがちですけど、そこに至るまでにはバックにたくさんの人がいて。車を作る人やスタッフ、スポンサーさんだったり、目標や思いを共有してくれる人たちと協力するなかで、そういうチームの一員でいられることに喜びを感じますね。
桃太郎じゃないですけど、鬼ヶ島に行くまでの仲間を作る過程が一番の財産になっていたりとか。学生の時には気づかなかったんですけど、バックで支えてくれる人がいてはじめて成り立っているんだなっていうのを強く思うし、ほんとに応援してくれる人との出会いが貴重だなって思います。
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