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がんにならない献立「一週間分」 がんにならない食生活 #19

2018/03/23
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赤肉との付き合い方  

 本稿のメニューのポイントの一つに、「赤肉」(牛や豚などの肉)があります。すでに書いた通り、赤肉はそこに含まれるヘム鉄という成分が大腸がんなどのリスクとなる可能性があります。欧米人のように赤肉を大量に摂取することが危険であることは言うまでもありませんが、日本人とて用心するに越したことはありません。そこで、赤肉を一回食べたら、少なくとも翌日は食べない、という形でインターバルを置くようにしています。

 ちなみに、同じ肉でも鶏肉や魚の肉については、がんのリスクは報告されていません。したがって、鶏肉や魚を上手に献立に組み入れることで、赤肉の摂取量が多くなり過ぎないようにすることができます。少しの工夫で、がんを遠ざけることは可能なのです。

糖質制限は有効か?

 最近流行の「糖質制限ダイエット」。これは、炭水化物の摂取量を抑えることで血糖値が急上昇するのを防ぎ、糖尿病を予防しようとする考え方です。炭水化物を摂取すると、血糖値が高まり、それを下げようとインスリンも多く分泌されます。インスリンは別名「肥満ホルモン」と呼ばれ、脂肪細胞に働きかけて中性脂肪を蓄積させていきます。つまり、糖質制限は糖尿病だけでなく、肥満予防にも効果的な取り組みといえるのです。

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 この糖質制限が直截的にがん予防になるという報告はありません。しかし、糖尿病ががんのリスクを高めることは明らかな事実です。

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 食品には血糖値を上げやすいものと、それほどでもないものがあります。この指数を「グリセミックインデックス(GI)」と呼び、炭水化物の量を掛け合わせた「グリセミックロード(GL)」が血糖値の上げやすさの指標として用いられます。

 最近ではGLが高い食事は子宮体がんのリスクを高める可能性が大きいという評価も出ています。たしかに、糖尿病の人の子宮体がん罹患率は、そうでない人より大幅に高く、GLと子宮体がんの因果関係は信ぴょう性がありそうです。

 糖尿病の先にがんがある、と考えれば、意識しないわけにもいきません。米飯やパンをお腹いっぱい食べるより、野菜や大豆製品などを効果的に摂取するほうが得策といえるでしょう。ご飯なら一回の食事でお茶碗一杯程度にとどめ、パンなら精製した真っ白いものよりは、ライ麦パンのようなものを選ぶなどの工夫はしたほうがよさそうです。