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本当にあったパチンコ店の“ヤバい景品サービス”…カブトムシやカメレオンを持ち帰り、ホールで結婚式を挙げるカップルも!?

2022/06/03

genre : ライフ, 娯楽, 社会

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神保町の名物ホールに現れた異景

 生き物が続きましたので、次はアカデミックな景品です。写真は1981年、都内神保町にあった「人生劇場」というホールの景品場。人の背より高い本棚が並び、場所柄書店と間違えてしまいそうです。

書店のような「人生劇場」景品コーナー

 このホールは学生街にあることから、苦学生にパチンコで遊びながら日用品を持って行ってもらおうという狙いで、1960年代以降様々な景品の取り揃えを始めました。その後多くの本も置くようになっていき、近くにある大学の教科書も網羅していたとか。

 そんな心意気で長い間学生たちに愛されて来たものの、2020年にいったん閉店。その後経営会社が替わりパチスロ専門店として復活しましたが、昨年末廃業してしまいました。

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珍獣景品が話題のホールは早過ぎたSDGs?

 1990年、パチンコのプリペイドカードが普及し始め、ホールがどんどん近代化してオシャレになっていきました。

 そんな中「冒険公園」をテーマにして、翌年千葉県市川市に誕生したのが「ピーアーク南行徳店」。何やら「トムソーヤの冒険に出て来るミシシッピー川を下る船のイメージ」で設計されたそうで、ちょっとピンと来ないのですが(笑)、とにかく店内には自然をモチーフにした装飾が多数。

景品コーナーにはカメレオンやイグアナも

 そしてこちらにも景品に生き物が用意されていましたが、馴染みのあるカブトムシや鳥ではなく、カメレオンやイグアナなどジャングルにいそうな珍獣だったのが大きなポイントでした。

 ちなみに珍獣たちは玉2000個で交換可能となっていて、女性客が取っていくことが多かったそうです。先述した鳥もそうですが、現代の動物愛護の観点から考えられると信じられない景品ですね……。

海外旅行のお土産のような木彫り人形なども景品に

 他にも写真のように、木彫り人形や面など海外の民芸品を思わせるグッズも揃っていたのが大きな特徴。

 また、この店の景品を入れるビニール袋は特殊な素材でできていて、捨てても土に還るようになっていたそうです。まるで現代のSDGsを先取りしたかのような特徴もありましたが、7年ほど前に閉店してしまいました。