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ヒロ 「オウマガトキFILM」は僕たち3人が“遊び”をとことん追求している場なので、周囲の影響を受けて辞めるつもりはないですね。辞める時があるとすれば、“僕らが撮影に飽きた時”だけだと思っています。

廃墟や心霊スポットは人間の怖さをピリピリ感じる

――ちなみに廃墟を撮影する時は、所有者に許可を取っているんですよね。その際に所有者から、不審者などの注意喚起は?

ヒロ 「気をつけて」と言われるくらいで、あとは自己責任です。廃墟と言われるような場所は、所有者も“ただその建物を持っているだけ”みたいな感じなんですよ。だからそこに誰か潜んでいたとしても、所有者は無関心なことが多い。

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――撮影中に生きた人間の怖さを感じることはよくあるのでしょうか。

ヒロ ありますね。廃墟や心霊スポットは、生きた人間の怖さをピリピリ感じる場所なんです。例えば、支離滅裂な内容の手紙が落ちていたり、なぜか遺影が飾られていたり……。


 ほかにも、ホテルの廃墟だと個室にベッドが置いてあるから、そこにひっそり住んでいる人がいることもあるんですよ。撮影中に、まだ腐ってない食べかけの弁当を発見したこともあります。そして、だいたいそこにはバットが一緒に置いてあることが多くて……。護身用だとは思うのですが、明らかに生活感のある部屋にバットが置いてあるとギョッとしてしまいますよね。

 でも、廃墟に落ちているものに思いを馳せるのが好きで探索をやめられないんです。

 

――廃墟に落ちているもの?

ヒロ 廃墟には残留物がめちゃくちゃ落ちているんですよ。子どもがお父さんに感謝の気持ちを綴った手紙が廃墟に落ちていたことも。「なんで平和の象徴みたいなものが、こんな荒れ果てた場所にあるんだろう」と想像すると、胸にくるものがあるんです。

 言葉にするのは難しいのですが、廃墟の中では、知らない誰かの生き様や人生を感じることもできる。そういう部分に“ロマン”を感じているのかもしれません。

写真=杉山拓也/文藝春秋

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