1990年代後半から2000年代前半にかけて、地上波で人気を得ていたオカルトブーム。最近ではYouTubeに場を移し、新たな盛り上がりを見せている。

 登録者数40万人(2022年6月8日現在)を誇る「オウマガトキFILM」は、パーソナリティのヒロさん、トモさん、カメラマンのTさんの3人による心霊検証チャンネル。“元不動産会社勤務”というヒロさん(33)の経歴を活かし、ここだけでしか見られない事故物件や、“いわくつき民家”の検証が多いのもこのチャンネルの特徴だ。

「名だたる心霊スポットよりも、民家の方が恐怖の濃度は高い」と語るヒロさんに、その真意を伺った。(全2回の2回目/1回目から続く)

ADVERTISEMENT

「オウマガトキFILM」のヒロさん ©杉山拓也/文藝春秋

 ◆◆◆

幼少期に体験した“不思議な現象”とは

――そもそも、ヒロさんはなぜオカルトが好きになったのでしょう。

ヒロさん(以下、ヒロ) 家族の影響が大きいかもしれません。20~30年くらい前は、よくテレビで心霊系の番組を放送していたじゃないですか。「奇跡体験!アンビリバボー」の怖い話とか、霊能者の宜保愛子さんが出ている番組とか。僕の父親はそういうのがすごく好きで、よく一緒に見ていたんです。

 あとは姉がいわゆる“視える”タイプの人で、姉の身に起こった不思議な体験をよく聞かされていました。幼少期からそういう環境にいたので、自然とオカルトやホラーが好きになっていきましたね。

 

――ご自身が幼少期に“不思議な体験”をしたことは?

ヒロ 気配を感じたことは何度か。僕の実家はもともと二世帯住宅で、1階におじいちゃんとおばあちゃん、2階に僕たち家族が住んでいました。おじいちゃんとおばあちゃんが亡くなったあとは僕たちが1階でも暮らすようになったんですけど、よく1階で不思議な現象が起きるようになったんです。

 誰もいない部屋から足音が聞こえたり、おじいちゃんの声で「ヒロ」と呼ぶ声がしたり。仏壇に飾っている写真が勝手に倒れていることもよくありましたね。

――昔から人より敏感だったのでしょうか。