ヒロ 以前不動産屋で働いていたんですけど、その仕事を始めてからはその“感覚”がより強くなりましたね。
賃貸物件を管理していると、どうしても“事故物件”に遭遇してしまうんですよ。やむを得ず僕がその部屋の片付けをしなきゃいけないこともありますし……。
そうやって働いているうちに、建物に近づく前から“そこが事故物件になっているかどうか”が直感的にわかるようになっていきました。車を運転して物件に近づくにつれて「これは中で何かが起きているな」という感じで。
逆に何も感じない時は、夜逃げしていて家の中はもぬけの殻、ということが多いですね。これも、霊感と言えば霊感みたいなものかもしれません。
どこにでもある民家が異様な雰囲気を……
――ヒロさんが特に「入りたくないな」と思った物件はありますか?
ヒロ 僕らの動画になっているもので言うと、幼い頃に不思議な体験をした祖父母の家を調べてほしいという『開かずの間』とか、『屋根裏』とか。心霊スポットよりも、どこにでもあるような民家の方が異様な雰囲気をまとっている時があって。そういう場所ってものすごく空気が生々しいんですよ。
変な話、有名な心霊スポットや廃墟はこれまでに何千人、何万人と足を踏み入れているじゃないですか。でも民家だと、住人以外に足を踏み入れている人が少ない。だからそういう場所は、心霊スポットと比較にならないほど“濃度”が高く感じます。
「怪奇現象がすごい」一軒家を検証した結果
――たしかに、「オウマガトキFILM」でも民家の検証をすることが多くなりましたよね。
ヒロ 僕が元不動産会社勤務だったので、最初はそのツテで紹介してもらった事故物件の検証をしていました。そしたらそれを観た視聴者の方々から、「うちの家でもおかしな現象が起こるんだけど、調査してほしい」とご連絡をいただくようになったんです。
ちょうど今(2022年4月取材時点)も、撮影を進めている一軒家がありますよ。見た目は普通の2階建ての一軒家なんです。築30年くらいで特別古いわけでもないし、過去に事件や事故があったわけでもない。その建物が建つ前の土地の歴史も調べたんですけど、特に気になることは見つからなくて。でも住人によると、「とにかく怪奇現象がすごい」と。