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ヒロ もともとその住人は、その家におばあちゃんと一緒に住んでいたらしいのですが、おばあちゃんが亡くなって1人で住むようになってから、「頻繁に幽霊を視るようになった」と言うんです。

 風呂場で知らない女の人が顔を出して笑っているとか、自殺する夢ばかり見るようになったとか。いわくのある物件でもないので、僕も最初は「住人の精神的な問題なんじゃ?」と思っていたんですが、話してみると理路整然としている方なんですよね。

 

自殺する夢ばかり見るようになった住人の“その後”

――その方は今でもその家に住んでいるんですか?

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ヒロ いえ、今はもう家を出ています。自殺する夢ばかり見ているうちに、本当にその家で自殺未遂を起こしてしまったらしくて。

 どうやら誕生日の前日の夜に、突然首をくくろうと思い立ったそうなんです。「2階のベランダにロープをくくりつけて、そこで首をくくろう。そうすれば、朝になったら家の前を歩く人が見つけてくれるはずだ」と考えたみたいで……。そのためにロープまで買って、自殺の準備を終えてからその日は眠りについた。

 でも翌朝目が覚めた時に、「なんであんなとんでもないことを考えていたんだろう」と思い直して。その時に「このままこの家にいたらヤバい」とゾッとして、急いで家を出たそうです。それから家に戻っていないと聞いています。

 

――家を出た後は大丈夫だったのでしょうか……。

ヒロ 自分でも精神的に問題があるのではと思って病院にかかったそうなんです。でも、医者からも異常は指摘されなかったようで。

 それに、「あの家にいた時はずっと体調不良だったのに、家を出てからは特に薬も飲まず、治療もせずに回復してきている」って言うんですよね。その話を聞くと、やっぱり原因は家にあるんだろうな、と。