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最大のポイントは「映りやすさ」と「駆動時間」

 さて、ポータブルテレビの良し悪しを決める最大のポイントは、やはり「映りやすさ」でしょう。

 ワンセグといえば、室内のどこにいても受信できるわけではなく、電波状況のよい窓際などに移動することで、ようやく映ることもしばしばです。今回の3製品も、こうした特性は既存製品と変わりません。

 そんな中、カイホウジャパン「KH-TVR320」だけは、部屋の中央にいても放送をある程度受信できるなど、受信感度は突出して良好でした。またドリテック「PR-401」も、まれに途切れることはあるものの、画面自体の見やすさとあいまって、実用レベルに達しています。

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 本来ならここで「スペック欄のここをチェックすれば、ワンセグの映りやすさがわかる」という見分け方があれば、今回の3製品以外にも応用できるのですが、残念ながら実際に使わないと判断できないのが現状です。ロッドアンテナが長い製品ほど受信しやすいかというと、そうでもないようです。

 ちなみにAmazonなどに投稿されている、ポータブルテレビを買った人の口コミのほとんどは、この受信感度に関する内容ですので、同じ「映らない」という不満であっても、それが窓際に移動してもダメなのか、部屋の真ん中でだけ試してダメと決めつけていないか、製品購入の参考にするのであれば、そうした内容もきちんとチェックしたほうがよさそうです。

ヤザワ「TV07WH」は電波状況が悪くなるとブラックアウトせずに直前の画面のまま固まるため、番組自体が静止画を流しているのか、固まっているのか、判断しづらいのがネックです

 もうひとつ、災害用途では重要になる、駆動時間についてはどうでしょうか。この3製品の中では、カイホウジャパン「KH-TVR320」はほかの2製品の倍近い12時間という駆動時間を誇っており、実際のテストでは約27時間もの連続駆動を達成するなど、優秀さは際立っていました。駆動方式は単三電池のみですが、この長時間駆動は魅力です。

 一方、ほぼ公称値通りの4~6時間の駆動となったドリテック「PR-401」とヤザワ「TV07WH」は、電池に加えて本体内蔵のバッテリーでの駆動にも対応しているので、こちらを併用すれば、電池と合計で10時間程度の駆動は可能です。またハンドルを使っての手回し充電にも対応しますので、いざという時はこれらを使ってラジオだけ聴くこともできます。

ドリテック「PR-401」とヤザワ「TV07WH」はハンドルを使っての手回し充電に対応し、バッテリーなしの状態からでも数分間は駆動させられます。これはヤザワ「TV07WH」