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10 コープオリンピア(1964年/東京コープ)

 日本で最初に発売された“億ション”(価格が1億円以上の部屋)である。JR「原宿」駅前の絶好の立地に“原宿の顔”といっても良い程、今も大きな存在感を放ち続けているが、やはりこの物件もよる年波に勝てず、以前から建て替えの計画が持ち上がっている。

コープオリンピア(2015年7月撮影)

「コープオリンピア」(渋谷区神宮前)は1965年3月竣工だが、抜群の立地とそのシンボル的な存在であること自体がブランド化しており、常に高額である。1990年には193.4㎡の部屋が9億5000万円で市場に出ていて、これが当社に残っているこの物件の史上最高値である。築57年となった2020年から売事例が増加しているが、価格が下がる気配は全くなく、坪単価は450万円から550万円という水準を維持している。

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 建て替えが決まれば、建て替え後の価値上昇期待からさらに高値となる可能性もあるだろう。ただ店舗が低層部に入る混在型のマンションで、店舗部分だけで議決権の20%を超えているために、建て替えに必要な5分の4の議決権が得られず、建て替え合意自体は難航している。