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ペデストリアンデッキから駅の周りを見上げてみると…

 ペデストリアンデッキから駅の周りを見上げてみると、背の高いビルがいくつも取り囲んでいる。タワマンなのか、それともオフィスビルなのかはよくわからない。が、ビジネスマンらしき人も歩いているから、千里中央駅の周りにオフィスがあるのは間違いないようだ。

 駅のすぐ北にはヤマダデンキ。その周りは緑の多い住宅地だ。一見するといかにも古い昭和の団地があったり、比較的真新しく見えるマンションがあったり。小さな子どもを連れたお母さんが歩いていたり、お年寄りが集まって歩いていたり、商業施設と背の高いビルに囲まれた駅から2分と歩けばのどかな住宅地が広がっている。

まったくひとけがなくて閉鎖されている建物が…

 そしてもうひとつ、千里中央駅は御堂筋線(北大阪急行)に加えて大阪モノレールの駅もある。その駅に向かっては、せんちゅうパルの中を抜けて南に向かって歩いていけばいいと案内されている。

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 言われたとおりに歩いて行くと、ほどなくせんちゅうパルの外に出て、広々としたデッキの上を進むことになる……のだが、そこで目に入ったのは巨大にして存在感はバツグンなのに、まったくひとけがなくて閉鎖されている廃墟状態の建物であった。

 千里中央の駅前に広がるこの建物、2019年まで営業していた千里セルシーという商業施設だ。開業したのは1972年。以来、半世紀にわたって千里中央の町のシンボルのひとつだった。

 ピーク時には1200ものテナントが入っていて、他にもボウリング場にプール、サウナ、映画館。中央のセルシー広場ではアイドルなどのコンサートイベントもたびたび行われたという。

 

 千里セルシーでイベントをやったアイドルや歌手はまさに錚々たる面々で、古くは堀ちえみ、光GENJI、90年代に入ってモーニング娘。、最近では三代目 J SOUL BROTHERSも千里セルシーでパフォーマンスを披露している。2011年2月にAKB48のユニット・渡り廊下走り隊がやってきたときには7000人が集まり、2013年にはEXILEが1日1万枚ものCDを売り上げた。

 何でもこの千里セルシーのステージでイベントをすると“売れる”というちょっとしたジンクスのようなものもあったというから、いわば聖地のようなものなのだろう。