ベニテングタケは「元祖マジックマッシュルーム」としても一部で注目されており、かつては北欧のバイキングが戦闘前にベニテングタケをつけた酒を飲み、戦意を高めたという話もあります。しかし図鑑に「有毒」と書かれているのは、それなりの理由があってのこと。友人は平気だったけど、僕は中毒をおこした。体質、個人差もありますから他人が大丈夫でも油断は禁物です。
「多分大丈夫だろう」と軽い気持ちで口にするのは厳禁です。美味しくて安全なキノコは他にいくらでもありますから、危険を冒して食べる理由は全くありません。身体的被害がヤバいので、やめておきましょう。
なぜそれを食べる?「土」
YouTubeチャンネルやブログを見た人から「なぜそれを食う」というリアクションが多かったのは「土」。思いっきり引かれ、バラムツを食べ、尻から油が垂れ流しになったとき同様、社会的にヤバいのを感じました。
でも実は、土は世界では古代から現代まで食べる文化があるんです。諸説あるのでどこまで本当かはわかりませんが、有名なのは熊本城。加藤清正が築城させたとき、籠城戦に備えて食べられるもので城を作らせたのだとか。一般には藁を使うところをかんぴょうにして、食べられる土で固めて壁を作ったそうです。
ハイチにも、泥を焼いて食べる食文化があります。土は鉱物が細かくなったものでミネラルが大量に含まれているので、必要なタイミングで栄養素を補うのでしょう。土の大部分は無機物で、ヒトの身体はミネラル以外の部分は吸収できず、食べても排出されていきます。しかし食べすぎると腸がつまるなどの健康被害が考えられるので、試食をしたいという方がいましたら、少量にしておきましょう。
僕が食べたのは、休耕田の粘土です。いつも食材を採りに行く多摩川にも土はたくさんありますが、河川敷は「地形の改変をしてはいけない」というルールがあることに加え、川底の泥は鉛やヒ素など危険な成分が含まれていることが多いので、食用には向かないでしょう。
食べ方は、水に溶かしてから濾して煮詰め、クッキーのように焼いてみました。濾すのは、木の根や小石、ゴミを取り除くためです。何度か濾して煮詰めるとなめらかになり、見た目はまるで溶かしたチョコ。香りは焼き物工房のそれですが味はなく、ただの粉!という感じ。砂糖とバターを混ぜて焼くと、まるで焼きチョコでした。