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特集観る将棋、読む将棋

2022/08/13

佐藤康光九段

佐藤康光九段は1969年生まれ、1987年プロデビュー。田中魁秀九段門下。タイトル戦登場は37回で、獲得は13期。永世棋聖の資格を持つ。棋戦優勝は12回。2017年から日本将棋連盟会長を務める。
​2021年度は21勝17敗(0.553)。王座戦で挑戦者決定戦、棋王戦でベスト4入りし、久々のタイトル戦登場にあと一歩まで迫った。「羽生世代」のひとりで、唯一のA級棋士。中終盤の凄みに加えて、近年は誰も真似できない独特の構想力に磨きがかかっている ©文藝春秋

――次は居飛車と振り飛車の両方を指しこなすオールラウンダーでトップ棋士のひとり、そして将棋連盟会長でもある佐藤康光九段です。

石井 いまの佐藤康光九段はオールラウンダーで、振り飛車寄りですよね。攻め将棋ですし、菅井八段のちょうど上で、居飛車寄りじゃないでしょうか。

青嶋 攻守に関しては石井さんと同じです。問題は居飛車党か、振り飛車党かです(笑)。確かに近年は振り飛車の採用率が高いですけど、感覚的になんとなく居飛車党で、矢倉の堅い玉形で戦うのを得意にしているイメージです。石井さんよりもう少し振り飛車寄りかな。

黒田 棋風はもうちょっと攻め寄りかもしれませんね。

石井 3人の点の間をとりましょうか(笑)。

――「誰も自分の作戦を真似してくれない」とぼやいたこともあるそうですが、オールラウンダーの皆さんも誰かに指してほしい戦法はありますか。

黒田 戦法によって違いますね。「菜々河流」は指してほしいなと思いますが(黒田が公式戦で指した新型の向かい飛車。VTuber「菜々河」さんに教えてもらったという)。

――この前、佐藤康光九段と話したら「私の将棋は普通ですよ。棋譜を全部見てもらってもいい」とおっしゃっていましたよ。

一同 (笑)。

青嶋 先手矢倉は普通だと思いますけど……。

石井 振り飛車が独特ですよね。いやー、昨年の棋王戦で郷田真隆九段に指した△9三銀から△8四銀はやばいですよ。定跡がないですし、駒を中央に使う常識に反しているじゃないですか。普通ではないです(笑)。

佐藤天彦九段

佐藤天彦九段は1988年生まれ、2006年プロデビュー。中田功八段門下。タイトル戦登場は6回、獲得は3期。棋戦優勝は4回。
2021年度の成績は23勝16敗(0.590)。叡王戦と朝日杯将棋オープン戦でベスト4入りした。2022年度は竜王戦でベスト4入りし、復活傾向にある。居飛車党で、粘り強い指し回しが持ち味 ©文藝春秋

――佐藤天彦九段は、一時期、振り飛車を連採したことが話題になりました。

青嶋 完全な居飛車党でしたが、ここ1、2年は振り飛車にも興味を持たれているようです。最近はそんなに振り飛車をやっていませんが、ほかの純粋居飛車党に比べると振り飛車の採用率は高いでしょう。棋風はほかの居飛車党よりは受け将棋ながら、永瀬王座ほどではないです。

黒田 そうですね。永瀬王座ほどではない。

石井 私も同じです。永瀬王座ほどではないです。

青嶋 実は今度当たるんですよ(笑)。何をやられるかはよくわかりませんねぇ(今年1月の朝日杯将棋オープン戦▲青嶋―△佐藤天戦は、先手が四間飛車穴熊を採用した。結果は後手勝ち)。