羽生善治九段
2021年度の成績は14勝24敗(0.368)。王位戦で挑戦者決定戦、NHK杯でベスト4入りし、王将戦挑戦者決定リーグで残留するも、順位戦A級から降級した。B級1組を指すのは第51期以来、30年ぶり。
デビューから40年弱、藤井聡太竜王だけでなく、大山康晴十五世名人ら昭和の大棋士とも戦ってきた。2022年度は通算1500勝を達成(歴代1位の記録) ©文藝春秋
――羽生善治九段はいかがでしょうか。オールラウンダー棋士として、10代からトップ戦線で活躍されています。
青嶋 羽生九段はオールラウンダーながら、最近はほとんど振り飛車を指されていません。数年前は四間飛車を指されていた時期もあるので、居飛車と振り飛車のバランスでいうと、広瀬八段に近いでしょうか。攻め将棋なのは間違いないです。渡辺名人ほどではないと思いますが、豊島九段や斎藤八段と比べるとどうでしょうか。
黒田 最近はほとんど居飛車ばかりですよね。攻め将棋で、豊島九段と渡辺名人の間ぐらいでしょうか。
石井 渡辺名人ほどではないけど、攻め将棋ですよね。
山崎隆之八段
2021年度の成績は17勝21敗(0.447)。初参戦の順位戦A級は降級となった。2022年度は、竜王戦で挑戦者決定三番勝負に勝ち上がった ©中田絢子
――最後は、独創的な指し回しと勝負術で、ファンを魅了している山崎隆之八段です。
黒田 受け将棋で、糸谷八段と永瀬王座の間でしょう。居飛車党ながら、たまに個性的な作戦を採用されます。
石井 居玉の駒組みが多いですよね(笑)。ほぼ居飛車党だと思います。純粋な振り飛車、例えば角道を止める四間飛車とかは指しませんから。受け将棋ながら、糸谷八段よりは先手相掛かりを指しているぐらいなので、攻め将棋でしょう。
青嶋 振り飛車のイメージはあまりないですよね。
黒田 たまに相振り飛車を指されますよね(相振り飛車は未開拓の部分が多く、力戦になりやすい。また戦いの性質は相居飛車に近い)。