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糸谷哲郎八段

糸谷哲郎八段は1988年生まれ、2006年プロデビュー。森信雄七段門下。タイトル戦登場は4回、獲得は1期。棋戦優勝は1回。
​2021年度の成績は25勝21敗(0.543)。王将戦挑戦者決定リーグから陥落したものの、順位戦A級は2位と好調だった ©文藝春秋

――糸谷哲郎八段はいかがでしょうか。独特な指し回しで、未知の戦いに相手を引きずり込むスタイルです。決断力がよく、時間攻めも得意にしていますね。

石井 糸谷八段は難しいですねぇ……。

黒田 棋風は受け将棋ですよね。永瀬王座より、もっと受け寄りのイメージです。

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 居飛車と振り飛車のバランスは、私は永瀬王座と同じぐらいの印象を受けます。得意にされている阪田流向かい飛車は戦型だと振り飛車ですが、感覚的には居飛車のイメージです。

青嶋 阪田流向かい飛車や飛車を転回する右玉も指すので、永瀬王座より振り飛車寄りでしょうか。全棋士のなかでもかなり受け将棋でしょう。盤上の自由さを含めたら、ある意味で攻めかもしれないけど(笑)、内容だけ考えたら常に受けを考えている気がします。

石井 青嶋さんと同じイメージですね。とりあえず受け将棋。いまは永瀬王座より振り飛車を指していて、基本的に力戦派(定跡形ではなく、見たことがない展開や局面で戦うこと)でしょう。特に後手番は力戦に持っていくのが得意で、受け重視の展開が多いです。

菅井竜也八段

菅井竜也八段は1992年生まれ、2010年プロデビュー。タイトル戦登場は2回で、獲得は1期。棋戦優勝は4回。
​2021年度は23勝16敗(0.590)。銀河戦と朝日杯将棋オープン戦の早指し戦で優勝した。アマチュアに人気の振り飛車を指しこなし、軽いさばきが持ち味 ©共同通信社

――菅井竜也八段は、今回の棋士の中では唯一、ほぼ純粋な振り飛車党ですね。

黒田 攻め将棋、振り飛車党です。トップ棋士のなかでほかに振り飛車党はいません。

青嶋 居飛車を指していた時期もありますけどね。実戦的な指し回しで、中終盤はひたすら攻めています。受けにはあまり回らないです。

石井 私も青嶋さんと同意見で、完全な振り飛車党で攻め将棋だと思います。