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特集観る将棋、読む将棋

2022/08/13

豊島将之九段

豊島将之九段は1990年生まれ、2007年プロデビュー。桐山清澄九段門下。タイトル戦登場は17回、獲得は6期。棋戦優勝は5回。
2021年度の成績は29勝29敗(0.500)。竜王戦、王位戦、叡王戦のタイトル戦で藤井聡太と戦った。竜王、叡王を失って無冠に転落したものの、将棋日本シリーズJTプロ公式戦、NHK杯将棋トーナメントの早指し戦で優勝した。
​2022年度は王位戦、王座戦で挑戦権を獲得している。とにかく研究が深く、相居飛車の最新形を引っ張っている 写真提供:日本将棋連盟

――「序盤・中盤・終盤、スキがない」と言われる豊島将之九段ですが、棋風としてはどんな印象がありますか。

石井 斎藤八段に近いと思いますね。無理攻めはしないけど、先手番の利をちゃんと生かして攻めるような組み立てが多いです。攻守のバランスがよくて、指した手がそのまま定跡になるような、お手本にすべき指し回しでしょう。

黒田 居飛車が主軸で、居飛車と振り飛車の比率は斎藤八段と渡辺名人の真ん中ぐらいでしょうか。攻め受けのバランスは斎藤八段と同じぐらい。あと、粘り強いイメージもあります。

青嶋 そうですね。豊島九段は攻め将棋ですけど、長手数の将棋も多いです。序中盤は相当に攻めるタイプながら、終盤の粘り強さも持ちあわせています。

広瀬章人八段

広瀬章人八段は1987年生まれ、2005年プロデビュー。勝浦修九段門下。タイトル戦登場は7回で、獲得は2期。棋戦優勝は1回。
​2021年度の成績は19勝20敗(0.487)。2022年度は、竜王戦で挑戦者決定三番勝負に進出している。20代は「振り穴王子」と呼ばれたが、いまは居飛車党。2018年に竜王を羽生善治から奪取し、27年ぶりの無冠に追い込んだ ©文藝春秋

――麻雀好きとしても知られる広瀬章人八段。その縁で、青嶋六段はABEMAトーナメントでチームを組んでいますね。

青嶋 もともとは四間飛車穴熊を武器に初タイトルを獲得されましたが、ここ数年はほとんど居飛車を指しています。攻守のバランスがよく、カウンター型でしょう。最初は穏やかに戦って中終盤で鋭く踏み込む、駒を蓄えて一気の反撃を決める展開を得意にされています。

黒田 居飛車と振り飛車の比率は、渡辺名人とほぼ同じぐらいでしょうか。攻守のバランスがいいです。

石井 カウンターが得意で、攻められても苦にしません。そのあたりは得意にされていた振り飛車穴熊の感覚が生きているのかもしれないです。 いまは攻め将棋の人が本当に多いので、それと比較すると本当にちょっとだけ、受け寄りでもいいかもしれません。