豊島将之九段
――「序盤・中盤・終盤、スキがない」と言われる豊島将之九段ですが、棋風としてはどんな印象がありますか。
石井 斎藤八段に近いと思いますね。無理攻めはしないけど、先手番の利をちゃんと生かして攻めるような組み立てが多いです。攻守のバランスがよくて、指した手がそのまま定跡になるような、お手本にすべき指し回しでしょう。
黒田 居飛車が主軸で、居飛車と振り飛車の比率は斎藤八段と渡辺名人の真ん中ぐらいでしょうか。攻め受けのバランスは斎藤八段と同じぐらい。あと、粘り強いイメージもあります。
青嶋 そうですね。豊島九段は攻め将棋ですけど、長手数の将棋も多いです。序中盤は相当に攻めるタイプながら、終盤の粘り強さも持ちあわせています。
広瀬章人八段
――麻雀好きとしても知られる広瀬章人八段。その縁で、青嶋六段はABEMAトーナメントでチームを組んでいますね。
青嶋 もともとは四間飛車穴熊を武器に初タイトルを獲得されましたが、ここ数年はほとんど居飛車を指しています。攻守のバランスがよく、カウンター型でしょう。最初は穏やかに戦って中終盤で鋭く踏み込む、駒を蓄えて一気の反撃を決める展開を得意にされています。
黒田 居飛車と振り飛車の比率は、渡辺名人とほぼ同じぐらいでしょうか。攻守のバランスがいいです。
石井 カウンターが得意で、攻められても苦にしません。そのあたりは得意にされていた振り飛車穴熊の感覚が生きているのかもしれないです。 いまは攻め将棋の人が本当に多いので、それと比較すると本当にちょっとだけ、受け寄りでもいいかもしれません。