1ページ目から読む
5/6ページ目

壁にぶつかっている女子たちの力になりたい

――中倉代表も「北陸担当大臣任せた」と頼りにされていましたね。LPSAで女流棋士を目指す女の子を集めて強化を図るGSP(ガールズ・ショウギ・プロジェクト)でも、積極的に教えているとか。

田中 将棋を教えるのはもちろんですが、相談に乗ったりアドバイスもしたいです。私は地方出身だし、両親もそんなに応援してくれたわけではありません。そんな壁にぶつかっている女の子がいたら、助けになりたいと思っています。

 あと、これはあまり言ったことがないのですが、女性の記者さんなのでお話しします。女の子の将棋が強くなる環境は整っているようでまだまだ。男性中心の世界だから、セクハラに遭うことがあります。私もアマの高校生だったときに出場したある大会で、おじいさんに付きまとわれ、触ってきたりして怖かったことがありましたし、話しにくいこともありました。もちろん私だけではありません。そういうことがあると、モチベーションを高く持って将棋を続けるのが難しくなってしまいます。

ADVERTISEMENT

ガールズ将棋プロジェクト(GSP)では田中女流1級が積極的にメンバーの少女たちと指している(写真提供:LPSA)

――ある女流棋士が、撮影や握手に乗じて腕などを触ってくる男性ファンに苦言を呈したことがありましたね。そんな男性は少数であっても大問題だと思います。

田中 はい。女流棋士からそんな話を聞くこともありますね。LPSAは女流棋士の団体なので、女性の視点でそういう問題にも取り組みやすい。男性中心の世界だと、女性が声を上げるのも大変だから。もっと女性が嫌な思いをせずに将棋を楽しく続けられるように、いい将棋界にしていきたいと考えています。

 もちろん他のことでもLPSAを魅力ある団体にしたい。女流棋士志望者にLPSAに入りたいと思ってもらえるように。渡部愛女流三段のようにLPSAを背負うような活躍をできるようにもなりたいし、大会やYouTube、ファンとの交流でLPSAの良さを知ってもらいたいとも思います。

――YouTubeでは、中倉女流二段、島井咲緒里女流二段とともに、田中先生のC級昇級のお祝い生放送もしていましたね。「もっとお酒飲んで」とかスパチャ(オンライン決済での投げ銭)もじゃんじゃんありました。お酒は強いのですか?

田中 いやー真面目キャラのつもりでしたが、お酒が好きなのバレちゃいましたね(笑)。皆さんからお祝いコメントもたくさんいただき、スパチャもいただき、感謝しています。また楽しい動画をお届けしたいです。