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電子カルテを書き換えていたことが判明

 代理人弁護士はまず、莉奈ちゃんが肝生検を受けた際の電子カルテに目をつけた。医師のカルテには穿刺回数が5回と書かれているのに看護師のカルテには6回分記録されていること、処置の時刻がはっきりしない点などに違和感を覚えたという。

「欠けている資料もあったので、まずは証拠を確保するための証拠保全を横浜地裁に申請しました。裁判官と一緒に病院へ行って電子カルテを確認すると、まだ莉奈ちゃんが生きていた時刻に入力されたことになっているカルテに、莉奈ちゃんが亡くなったことが時刻入りで記載されていたんです。後々の検証で、この病院の当時の電子カルテシステムは、表面的には更新履歴を残さずに書き換えることが可能だったとわかりました」(代理人弁護士)

 弁護士からの報告を受け、「やっぱりなと思いました」と朋美さんは語る。

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「莉奈が亡くなった直後の説明では穿刺回数は4回と言っていたのに、司法解剖で5~6回と判明したときから、回数が多いと病院側にとって何か不都合があるんじゃないかと思っていました。なので、編集が可能だったと聞いても驚きませんでした」

 並行して、警察による医療過誤の捜査も進められた。この頃までには、病院側の資料や警察からの報告により、莉奈ちゃんの穿刺はまず若く経験の浅い研修医のD医師が行なったが上手くいかず、途中でベテランの医師に交代したことが判明していた。検査前に受けた「ベテランの医師が行う」という説明からはかけ離れた実態だった。

「どうかありのままをお話していただきたいです」

 莉奈ちゃんの術後管理を担当していた元研修医のB医師への事情聴取が行なわれる際、朋美さんはB医師に宛てた手紙を書いた。

朋美さんがB医師に宛てて書いた手紙

 

《目の前で苦しそうにしている莉奈に親として大したこともしてあげられず、はがゆい思いでしたが、私たち素人には分からなくても、医師に分かることがあると思い、〇〇医師の言葉に重みを感じ、託すことしかできませんでした》

《どうか警察とのお話においては、全て正直にお話していただきたいです。(略)これからの日本の医療、亡くなった莉奈のためにも、どうかありのままをお話していただきたいです》

 しかし、B医師からの返事はなく、病院側や医師たちの「莉奈ちゃんの死因はミトコンドリアDNA枯渇症候群であり、肝生検での過失はない」という言い分は変わらないままだった。

朋美さんがB医師に宛てて書いた手紙

「莉奈ちゃんの死因が“肝生検に起因する出血死”であったとの裏付けを進めた上で、2016年に病院に対して損害賠償請求の通知を行いました。鑑定意見書を作成していただいた医師は、病院側に過失を認めて謝罪するように促す書簡まで書いてくださったのです。しかしそれでも、病院側の代理人からは『当院医療従事者の診療に不適切なところはないと考えています』と記した紙が1枚、送り返されてきただけでした」(代理人弁護士)