「浦和の中心」はどこ?
さて、引き続いて浦和の町を歩く。中山道を歩いていて、人の多さやお店の多さ、その活気と、どれをとっても浦和の中心はここなのだろうと思った。
ところが、玉蔵院の門前を少し過ぎたところで中山道と垂直に交わる道、裏門通りというこの細い路地沿いが、これまた実に賑やかなのだ。
県庁舎の裏口に通じていることから名付けられたという裏門通りは、道沿いにいかにも歴史がありそうな古めかしい店舗から、浦和の人々が仕事帰りか何かに気楽に立ち寄れそうな居酒屋さんまで、あらゆる店が軒を連ねる。
クルマも入れないような細い道なのだが、人通りという点でいうならばここが浦和でいちばん活気に溢れているエリアのようだ。
裏門通りを駅に向かって歩いて行くと、高架の線路にぶつかる手前にイトーヨーカドー。いかにも古そうな雰囲気があるヨーカドーで、開店したのは1972年だというからもう50年前だ。
浦和駅からは線路沿いを歩くか、伊勢丹・コルソの間を抜けて5分とかからない。“裏門通り”という名を聞く限りではだまされそうになるが、少なくともイトーヨーカドーができた1972年の時点では、このあたりはかなり賑わう浦和の中心繁華街になっていたのだろう。
ちなみに、裏門通りからさらに北に進むと中山道は市役所通りと交差する。この交差点には背丈の高い超高層ビル・浦和センチュリーシティが建っているのだが、ちょうどここが浦和宿の本陣があった場所らしい。
つまり、県庁や浦和駅は浦和宿以来の中心よりも少し南に設置され、それによってさくら草通りや県庁通りが整備された。が、本来の浦和の中心であった本陣近くの一帯も賑わいを失うことなく、いまに続いているということなのだろう。