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名松線から繋がる観光資源を…。
美杉リゾートの中川さんも、取り組みの幅を広げている。2019年から、美杉地域の宿泊施設や農家などと協力し、「田舎ならでは」の体験型のイベントや宿泊プランをプロデュース。新型コロナにも負けず、宿泊客は3年で3倍以上になり、名松線で来る人も増えてきた。

 

美杉リゾート・中川雄貴 社長:
観光業に身を置くものとして、田舎の良さを知っていただく旅の導入部分としてはすごくいいものだと思っています。ぜひとも利用してもらいたい。
僕は地域の宝だと思っています。名松線は美杉の魅力、資源の一つやと。
日常利用だけを見たら、名松線だけじゃなくて採算合っていない路線ばっかりだと思うんですけど、また別の観点をもって考えていただきたいと思いますね

毎年2億5000万円の税金で存続も…重なる出費

 

一方、愛知県の三河湾をバックに走る、赤い電車。この風光明媚な路線は、名鉄西尾・蒲郡線だ(西尾~蒲郡 27.3キロ)。

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1929年に開業し、かつては「愛知こどもの国」などのレジャー施設や、潮干狩りなどで賑わった。しかし観光業の衰退などで、利用者は激減。2020年までの10年は、毎年7億円以上の赤字が続いている(2020年度・輸送密度2227人)。

 

蒲郡市役所・担当者:
現時点では蒲郡市からは、毎年約1億円の支出をしているところです。税金にはなりますけど、存続していく必要がある路線ではありますので、無くなった時を考えると、またそれはそれで別の対策が必要になってきたりしますので、(路線が)あることによって抑えられている費用等もあるのかなと感じております

2010年以降は、西尾市と蒲郡市が、毎年合わせて2億5000万円の支援金を支払うことで、2025年度までの存続が決まっている。

しかし、予期せぬ費用もかかる。築73年になる、西浦駅の木造駅舎だ。

 

蒲郡市役所の担当者:
ご覧の通りすごく味のある駅なんですけども、老朽化が進んでいまして、非常に惜しいところではありますけど安全面等がありまして、解体するということが名鉄さんの方で決まりました。市としても待合所が必要だと思っていますので、市で待合所を整備させていただきます