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レジェンド・小林尊の「すごさ」

――逆に言うと、水をよく飲む人というのは、飲み込む力があまり強くない人ということなんですね。

ロシアン ですね。ただ、胃の容量がものすごくあるタイプの人は、柔らかくて喉越しがいい白米や麺類などはめちゃくちゃ強いです。トップクラスで強い人って、容量も大きくて、飲み込む力も強い人。その最たる例が小林尊さん。

 小林さんは、過去に『ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権』で優勝されていますけど、あれってほぼ噛んでいなくて、口の中にあるホットドッグを、次のホットドッグで押し込んでいるんです。噛まずに飲み込めるほど喉の力が強くないとできないし、パンを水に浸して食べやすくするので、水分を入れても余裕がある胃の容量を持っていないとできない。あんなに短時間でホットドッグを食べることができるのには理由があるんですよ。

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©文藝春秋

自炊系大食いYouTubeを始めたわけ

――肉体の可能性を感じますね……。現在、ロシアンさんは登録者95万人を超えるYouTubeチャンネルで大食い動画を配信する人気YouTuberでもあります。ロシアンさんは2016年という早い時期から始められていますが、なぜYouTubeを?

ロシアン きっかけは、女性フードファイターの木下ゆうかちゃん。当時、すでにゆうかちゃんは70万人くらいの登録者を持つ人気YouTuberだったのですが、彼女から話を聞いて私もやってみようかなと。ホントに軽い感じで始めたのですが、100個食いチャレンジみたいな企画をしてみると、結構な再生数を記録しまして。「待ってました!」みたいなコメントが来る一方で、「木下ゆうかのパクリだ!」というコメントもたくさんきた(笑)。

 大食いYouTubeは、ゆうかちゃんの専売特許みたいな状態だったので、どうすれば差別化を図れるかと考えた結果、自分で作ってみたらどうだろうって。それで自分で作って食べるシリーズを始めるようになったんですね。自炊系大食いYouTuberのハシリだと思います。

YouTubeチャンネルの登録者数10万人を超えると贈られる「銀の盾」が飾られていた ©文藝春秋

――今はフードファイターの方が、自身のYouTubeチャンネルを持つことは当たり前になっていますが、当時から“かぶらないこと”を意識されていたんですね。

ロシアン 今は群雄割拠状態ですよね。いつ自分が埋もれるかヒヤヒヤしているくらい。でも、あの頃はブルーオーシャンだったので、差別化を図りやすかったところもあります。自炊系大食いって、やっぱり食べる量が多いので、凝ったものを作り出すととても時間がかかる。今まで一番時間がかかったのが、「理想のおせち」という企画。料理の仕込みだけで3日ぐらいかかってしまって……でも、食べるのは4時間とかで終わっちゃう(苦笑)。