――できる限り道路標識を掲げておくことが望ましいと。ロシアンさんは、現在は食のインフルエンサープロダクションやシステム開発などを手掛けるエッジニア合同会社の共同代表兼COOという立場。もともとは、システムエンジニアだったんですよね?
ロシアン そうなんです。ただ、当時は収入として大食い一本だけで生計を立てられるわけではなかったので、社会人をしながら趣味の延長でフードファイトを続けていたという感じです。その後、自分たちでシステムやものづくりにチャレンジしてみたかったので、独立してエッジニアを起業しました。せっかく特技があるのだから、個人でやっていた私のYouTubeチャンネルを、事業の一環としてエッジニアのメディアとして組み込んだんです。
YouTubeで“稼げる”ようになるまで
――先ほどのYouTubeの工夫のお話もそうですが、その設計力に感心してしまいます。
ロシアン いやいや。創業当時はまったくYouTubeのコンテンツでお金は稼げませんでした(苦笑)。昼はエンジニアとして普通にシステム開発をやりながら、夜は自宅でYouTubeの撮影をするという毎日。 登録者数が30万人まで到達した際の記念動画『5kg超!!大食い専用?大人様ランチ!夢のワンプレート 30万人ありがとう!』がものすごくバズって(2022年11月現在で670万回再生)、ようやく収益の柱として見合うようになってきました。
そこからはエンジニア業務は他の社員に任せて、私はYouTubeをはじめとしたメディア運営にシフトしていくように。会社の代表ですから、雇っている社員たちの毎日の糧にならなきゃいけない。「責任を持てることをお前はしとるんか」ということを自分に問いただしながら、その一方で「ファンの人をちゃんと楽しませているのか」といったところも考えて動画を作製しています。
――会社の事業としてのYouTubeチャンネル。「自分1人が楽しめればいい」という視点だけではないからこその細部にこだわった作りなんですね。
ロシアン もともと私は、「1人でできる範囲でやればいいじゃん」というタイプだったんですよ。なので、人に任せることがとても苦手だった。でも、いろいろなものづくりをしていく中で、1人でできることなんてホントに限られている。私ができること、得意なことってすごく少ないということに気付きました。会社の事業として達成感があると、1人じゃなくてメンバーと分かち合える。いっぱい反省もして、いっぱい泣くこともありましたけど、今の自分って過去の積み重ねでしかない。みんながいないと何もできませんって、最近はよく言っています(笑)。