「『ウマ娘』はどうか」などと言われると…
日本人からすれば、単に同好の士が動画やイラストを楽しんでいたものが、それは児童ポルノだ犯罪収益だと名指しで言われて、面倒なことになるという反発も強かろうと思います。
ある程度分かっていて慣れ親しんでいる私たちからすれば、「『けものフレンズ』は獣姦コンテンツにあたるのではないか」とか「Cygamesの『ウマ娘』はどうか」などと言われると、「なに言ってんだお前?」としか思いません。ただ、こういう日本の独自文化で自然発生的に生まれてきたものが、バリバリの金融業界の人たちの審議の対象となったとき、相手に適切な理解を促すことの困難さにも直面します。
さらには、イラストサービスを手掛けるSkeb社やpatreonなどで提供されているNSFW(お前の職場で観るのは安全ではない:Not Safe For Work)と呼ばれる個別のイラスト依頼での異常性癖がどこまで許容されるのか。児童ポルノ界隈では、これからホットな分野になり得ます。というのも、表立って流通させることが困難になった児童ポルノを含む異常性癖コンテンツが地下に潜り、そこで仲介をすることで飯を喰っている業者がいる、という認識を持たれることに他ならないからです。
政治家や所轄官庁がここで動くべきでは
また、業者が決済を平準化して特定のサービスで不適切なエロが流通しているわけではないとポイントサービスに乗り出しているところや、携帯電話会社の決済代行でカバーしようとしているところも、業者ごと取引拒否を促す動きが出ると全部死滅してしまいかねませんし、実際そういう話が出ているようです。どのように表面上糊塗しようとも、そのようなコンテンツが取引されているのだとされれば、業者が名指しで決済ネットワークからBANされる未来絵図は容易に想像できます。
これはもはや、カード決済会社が対応を強化している以上、はっきり言って被害を減らしながら大事なところを死守するタイプの敗戦処理であるなあと個人的には思います。
この流れを日本が「これは独自文化でやんす」と強弁したところで守り切れないことは確実です。本来であれば、これは経済産業省のクールジャパン機構なり文化庁などの所轄官庁なりが乗り出してきて、保護政策と共に決済手段の確保を図り、ついでにアニメーターを含めたクリエイターの所得や健康保険などの各種福祉政策と組み合わせた青写真を描くべきなんじゃないかとも思います。というより、政治家や所轄官庁がここで動くべきものなんじゃないのかなあと。
現場からは以上です。