活動地域も柔軟で、来年以降には北米に拠点を置くNCT-Hollywoodの誕生も予定されている。それもあって日本に拠点を置くNCT-Japanの設立もかねてから噂されていた。一部のファンはKing & Princeの平野たちが、このNCT-Japanの中心メンバーとなることを予想している。
だが、その可能性はあまり大きくはないだろう。それは、これまでSMエンタが長年培ってきた日本芸能界との関係に水を差す可能性があるからだ。
BoAや東方神起、そして少女時代を生んだSMエンタは、日本の芸能界ととても上手く関係を築いてきた。ジャニーズもその例に漏れず、嵐の韓国版CDの販売はSMエンタが請け負っている。こうした関係を時間をかけて丁寧に築いてきたからこそ、東方神起などは圧力や忖度の影響を受けずに日本で活動ができた。もしKing & Princeの3人をNCTに加入させるようなことになれば、その関係にヒビが入る可能性もある。
海外を志す3人がもっとも近道となる会社は
それよりも可能性があるのはHYBEだろう。兵役によって、間もなくBTSは3年近くの活動休止に入ると予想される。SEVENTEENも来年以降メンバーが兵役リミットに達するため、完全体の活動は不可能となる。この両グループの活動がままならなくなることは、HYBEにとって大きなダメージとなることは間違いない。
HYBEはそれを見越し、若手のTOMORROW X TOGETHER(TXT)とENHYPENをデビューさせ、さらに複数の会社のM&Aを経てLE SSERAFIMやNewJeansなどガールズグループにも力を入れてきた。日本でも来月9人組のボーイズグループ・&TEAMがデビューする予定だ。
だが、こうした新しい展開でBTSの大きな穴を埋めきれるかどうかは、まだわからない。BTSの人気があまりにも大きかったからだ。HYBEの不安要素は依然として払拭されない。
King & Princeを脱退する3人は、そんなHYBEにとって非常に魅力的に映るのは間違いない。すでに日本で大きな人気があり、平野は技術的にも日本でトップの水準にある。しかも活動経験も長いため、さほど準備期間も必要ない。
一方3人にとっても、海外(欧米)を志すならばHYBEはもっとも近道となる会社だ。BTSによって北米展開の実績もあり、しかもアリアナ・グランデやジャスティン・ビーバーの所属するHYBEアメリカもある。ジャニーズでは不可能なことをHYBEはデフォルトで可能にする。両者はWin-Winに結びつく。