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「え…こんな場所に…!?」山中にひっそり佇む…美食家が集うナゾの廃校オーベルジュ”に潜入してみた

「え…こんな場所に…!?」山中にひっそり佇む…美食家が集うナゾの廃校オーベルジュ”に潜入してみた

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石川県と縁のないスタッフたちが小松市に移住したワケ

「もともと、糸井は北欧の3つ星レストランで働く予定だったんですが、そのタイミングでコロナ禍になってしまって、ビザが下りなかったんです。

 それと同時期に偶然、石川県の小松市・観音下町で総料理長にならないかと声をかけられたのが、すべての始まりでした。

 現在は閉店した前職のレストランで働いていたスタッフを糸井が引き連れて、『Auberge “eaufeu”で一緒に働こう』と。そのような経緯で、働くスタッフが小松市内に移住してきたというかたちです。移住となると、なかなかハードルを感じるように思うのですが、それでもついて行きたいと思えるほど糸井が魅力的なシェフだということでしょうね」(ソムリエ 朝倉達也さん)

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長年糸井さんと共に働いているソムリエの朝倉さん。Auberge “eaufeu”のドリンク監修を務める

「今まで国内外いろんなところで暮らしてきたんですが、日本で地方に住むのは小松が初めてで。ここはとにかく過ごしやすいですね。5月くらいに引っ越してきたのですが、人間関係も築きやすく、食材も豊かなんですよ。スタッフみんなで地域に自生しているものを摘んでみては『この食材試してみようか』と話し合ったり、料理のあしらいに使える植物を摘んだり、ということをしょっちゅうしていますね」(シェフ 糸井さん)

取材中、運動場を散歩する親子に気さくに声をかける糸井さん。大の子供好きなのだとか

 なお、施設名の由来はフランス語の「“eau”=水」と「“feu”=火」。観音下の自然や食、この地ならではの清らかな“水”を活かし、外から来たチームが“火”を灯すことで、新たな価値とイノベーションを巻き起こしていくイメージだそう。

 豊かな自然の中で、若き俊英の料理に舌鼓を打ち、優雅な時を過ごす……。最近では、これまで県外から石川県を訪れて、金沢だけを観光していた人が、最終日に小松市を訪れてAuberge “eaufeu”で1泊するといった利用ケースも増えているという。

 
入り口すぐにあるレセプション兼カフェスペースは予約無しで利用可能。糸井シェフ監修のサンドイッチ、自家製ドリンクやシャンパーニュなどが楽しめる

 たしかに、Auberge “eaufeu”は小松空港まで車で約30分、小松駅まで車で約20分と、各地へのアクセスにも優れている。そして、2024年春には小松駅の新幹線開通も控えている状況だ。Auberge “eaufeu”が、今後さらに注目を集めるスポットになっていくのは時間の問題だろう。

INFORMATION

Auberge “eaufeu”(オーベルジュ オーフ)
0761-41-7080
info@eaufeu.jp
石川県小松市観音下町口48番地

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。次のページでぜひご覧ください。

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