文春オンライン

連載文春図書館 ベストセラー解剖

「長崎で生まれて被爆し…」現在は孫と一緒に活躍! 87歳のYouTuberが語る“快適に生きるコツ”とは

『87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし』(多良美智子 著)――ベストセラー解剖

2022/12/21
『87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし』(多良美智子 著)すばる舎

 孫と一緒にYouTuberとして活躍している著者。毎日の丁寧な暮らしの様子や、生活に根ざしたレシピ動画で人気を集めている。その87年におよぶ人生と快適に生きるコツを紹介した本がヒット中だ。

「高齢者の単身世帯は社会問題のように語られがちですが、実際には、尊厳を持ってお元気に暮らしている方が大勢います。そうした現実を希望を持って伝えられる方を探していたところ、著者の動画に出会いました。ご自宅の様子から、こだわりを持ってセンスよく暮らしていらっしゃることが伝わってきましたし、お孫さんとのやり取りからも品の良さや優しいお人柄がにじみ出ていたんです」(担当編集者の水沼三佳子さん)

 本でさらりと語られる半生には、意外な一面も。

「著者は長崎で生まれて被爆するなど、戦中から戦後にかけて大変なご経験をたくさんされています。そうした苦労を感じさせない朗らかさと前向きさが魅力的ですね」(水沼さん)

 主な読者は60~70代の女性。少し先を歩む人生の先輩の姿を励みにしているようだ。読者はがきには「私もマイペースにこんな趣味に励んでいます」といった自身の暮らしぶりを伝える文章がびっしり書き込まれていることも。それほどに、著者との心の距離を近く感じさせる本のようだ。

 来年3月には食事と料理がテーマの第2弾刊行予定。

2022年3月発売。初版8000部。現在5刷12万部(電子含む)
87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし

87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし

多良 美智子

すばる舎

2022年3月24日 発売

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春をフォロー