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 傍聴券を受け取り法廷に入って傍聴席を確認すると、白いカバーが掛けられた司法記者席は9席用意されて記者が6人座っていました。つまり、記者席の空席が3席。傍聴しない司法記者は事前に申し出て、ハズレた人のためにも傍聴券をあと3枚増やして欲しいものですが……。

 傍聴人の入廷が終わると、弁護人2人と共に紺色のスーツを着た被告人が黒い封筒を持って法廷にやって来て、被告人席に着席。第2回公判スタートです。

 この日は、神奈川県平塚署の警察官2人への証人尋問。

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 まずは7年半捜査課にいるという男性警察官への質問からになります。

検察官「4月2日、被害店舗のコンビニエンスストアに行ったのは何故ですか?」

証人「商品の陳列状況と防犯カメラの設置状況の確認です」

検察官「具体的にはどんな確認をしましたか?」

証人「サプリメント6点を手で持てるかという確認をしました」

検察官「他には?」

証人「定規を当ててサプリメントの陳列している高さを測って、何cmですとか。それを防犯カメラに映る姿を確認をしまして、一緒に行ったK巡査と『こんな感じかな?』と写真撮影しました」

検察官「元々の(防犯カメラの)画像や写真を持って行って、同じように撮ったんですか?」

証人「現場には写真は持って行ってません。自分の記憶の中で、こんな感じだと」

 写真を持たずに「こんな感じかな?」と犯行を再現するという、非常にアバウトな記憶頼りの捜査だったようです。

「当時の報道でもあまり伝えられていませんでしたが…」この事件は“ちょっと変わったパターン”

 続いて弁護人からの質問。

弁護人「7年半の勤務の中で、万引き事案は何件くらいありますか?」

証人「数百件はあると思います」

弁護人「本件のように、後日防犯カメラの映像を見返して逮捕されるというのはありました?」

証人「ん~、あったとは思います」

弁護人「何件?」

証人「それは分かりません」

弁護人「レアケースではないですか?」

証人「はい」

 この事件は被告人が万引きしているのを店員が見つけてその場で逮捕したという事案ではないのです。

 当時の報道でもあまり伝えられていませんでしたが、店で棚卸しをしたところ品数が合わないので、店長が防犯カメラ映像を見たら怪しい動きをしている男が映っていたので警察に連絡。それで警察が防犯カメラの男を三浦和義被告人だと特定して逮捕に至った、という逮捕までがちょっと変わったパターンの事件なのです。