素材のおいしさを感じる料理
池田さんの食生活を教えてもらった。
朝食は、ライ麦、オーツ麦などの全粒穀物のパンに麹チョコ(甘酒を使ったチョコレートのクリーム)を塗り、ブルーベリーやバナナのスライスを載せて、コーヒーと共に食べる。
「これが今すごく気に入っている食べ方。他に、レッドビーツとマカのパウダーをスプーン1杯ずつ取っています」
レッドビーツは赤紫の根菜で一酸化窒素、抗酸化物質などが豊富だ。ボルシチの深紅色のスープに欠かせない材料でもある。マカは南米ペルー産の根菜で必須アミノ酸、ミネラル、ビタミンが豊富に含まれている。
昼食は、おもに清子さんが作る。この日の昼食を見せてもらった。
カラフルなワンプレートだ。メニューは、モチムギ、ヒエ、アワなど雑穀10種類を混ぜた玄米にヘンプシード(麻の種子で、タンパク質が豊富)をまぶしたご飯、蒸したトウモロコシ、ナスとテンペ(インドネシア発祥の大豆を発酵させたもの)の照り焼き、野菜のグリル焼き、ニンジンをクミンシード、塩、オリーブオイルであえたものなど。どれも歯ごたえが良く、具材も多いので飽きずに食べられそうだった。
「夕食は、僕は基本サラダだけ。約30種類の野菜、ナッツ、黒豆のテンペにクロレラパウダーを混ぜてあります。タンパク質としては、クロレラの他にナッツ類や豆類、種子類、皮ごと食べるホールフードの野菜からも良質なものが摂取できます。お気に入りのオーガニックのバルサミコ酢を掛けて食べます。このイタリア産のバルサミコ酢がとろっと具材に絡んでおいしいですよ」
池田さんは笑みを浮かべて、色とりどりの野菜のサラダボールが写ったインスタグラムを見せてくれた。確かにかなりボリュームがあり、野菜の種類が豊富なので飽きずに食べられそうだ。
――ほぼ野菜だけでおなかは空きませんか。体重管理のために夜に炭水化物は取らないようにしているのでしょうか。
「炭水化物とは『糖質+食物繊維』のことで、ご飯やパン以外の野菜、果物、豆類、アボカド、ドライフルーツの中にも入っており、『炭水化物を少なくしよう』という意識はありません。また、むくみを防いだり、余計な脂肪を蓄えないために精製した塩、油、砂糖はあまり取らないようにしています」