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支援にたどり着くまでの長い道のり

 このような流れをみてみると、過労死やハラスメント自死などが起こってから具体的な相談窓口にたどり着くまでには、様々なアクターを経由しているということがわかる。病気や死からスムーズに労災申請や裁判にはつながっていない。

 法務省や警察は、そもそも管轄外でなにもできない。そして、弁護士のなかにも過労死や労働問題に詳しい専門家もいるが、特に証拠の明瞭ではない事件では、最初の人のように「対応できない」とする弁護士がほとんどである。実際の労災申請や訴訟ができるような相談先につながるまでのハードルが非常に高いのだ。

 伊佐間さんの場合は、なんとか会社に責任をとってほしいという思いがあっただけでなく、実際に相談先を探すために動くことができた。しかし、中には大切な人を亡くした影響で今度は家族が精神的に落ち込み外に出ることすらできなくなったり、いくつかの相談先に断られたことで「誰にも対応できないのだろう」と諦めて泣き寝入りしている過労死遺族のほうが実際に労災申請などの行動を採った遺族よりも多いだろう。過労死をなくしていくためには、こういった声すら上げられていない遺族が、過労死に取り組む専門家や支援団体につながれるようにすることが不可欠だ。

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 前半では、大切な子供を亡くした遺族が、会社に責任追及するための専門家につながるまでを見てきた。後半では、労災が認められるまで、そして遺族が会社を訴えた裁判において、いかにして会社が自身の責任を回避しようとしてきたかを見ていきたい。