さらに男児4人を保護
この取材をした日、じつは男女に初めて当番弁護士が接見していた。後にわかることだが、男女は弁護士に対しては、これまでに使っていた「ミヤザキ」(男)や「モリ」(女)という偽名ではなく、本名を名乗っていた。また、警察も清美さんから彼らの名前を聞いていたが、その確認作業を行っていたために、男女の本名が発表されなかったのである。
またNHKが昼のニュースで、7日に北九州市小倉北区泉台にある泉台マンションにおいて、この事件に関連して男児4人が保護されていたことを報じ、他のメディアもその事実を知ることになった。
そこで取材を受けた捜査関係者は「子供たちだけで部屋におり、保護者がいなかったなどの理由から保護した。児童4人は元気。受け答えなどはっきりしている。虐待などはいまのところ見受けられない。4人のうち兄弟がいるようだ」と明かしており、男児が9歳と5歳の兄弟と、夫と別居した女性が逮捕された男女に預けた6歳の双子だったことを話している。
異例の「捜査本部」設置
さらに翌11日に小倉北署で副署長が発した雑感により、児童たちが保護された際の様子がよりはっきりした。その内容は以下の通りだ。
「課長と係長、それに補導員の女性2人がドアの鍵を開けて4人を保護した。4児童はパジャマ姿で、6畳の部屋で一緒にテレビを見ながら遊んでいた。入ってきた捜査員に脅えたり、驚いた様子はまったくなかった。
部屋は1DK。室内はある程度整理整頓されており、洗濯物がたくさん干してあった。こたつ、冷蔵庫、洗濯機があり、長期間生活していたものと見られる。9歳児童はしっかり者で年下3人の統制をとっていた。彼は『NHKの教育テレビも見るよ。いろいろ知っている。地球も丸いよ』などと口にしている」
この日、福岡県警小倉北署は捜査本部を設置した。それは『北九州市小倉北区内における少女特異監禁等事件』との名称で、98人体制によるもの。容疑者が逮捕され、殺人が発覚していない段階で捜査本部が設置されるのは、極めて異例のことだった。
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