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立ち入れぬトンネル、崩れ落ちた木橋…45年前に消えたローカル線「尾小屋鉄道」の廃線跡がディープすぎた

立ち入れぬトンネル、崩れ落ちた木橋…45年前に消えたローカル線「尾小屋鉄道」の廃線跡がディープすぎた

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尾小屋鉄道の歴史を守り、後世に伝える坂井さんの想い

 そんな尾小屋鉄道の歴史を守り、後世に伝えるために作られたのが、坂井さんが会長を務めるボランティアグループ「なつかしの尾小屋鉄道を守る会」だ。1984年8月に結成された息の長いグループで、現在は県内外の鉄道愛好家50名強で構成されている。

 同会は、先述したポッポ汽車展示館と、「いしかわ子ども交流センター小松館」に保存されている尾小屋鉄道の車両の塗装更新やエンジン整備などの動態保存を支援している。

坂井さんはほぼ毎週末、車両の整備などを行っているという

 会長職に就いて20年以上の坂井さんは、中学時代に尾小屋鉄道に乗車してその魅力に取りつかれた“愛好家”のひとりだ。尾小屋駅と新小松駅までの総延長距離16.8kmを徒歩で巡ったこともあるほど、尾小屋鉄道に魅了されている。

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 だからこそ、尾小屋鉄道の歴史の継承に対する想いはひときわ強い。坂井さんは、「当たり前のことですが、時が経つにつれて尾小屋鉄道の歴史を伝えられる人が少なくなってしまう。ポッポ汽車展示館やいしかわ子ども交流センター小松館での体験乗車会などを通して、子どもたちや若い世代の方々に尾小屋鉄道のことを知ってもらう必要があるのです」と話してくれた。

尾小屋鉄道の歴史や廃線跡の魅力を教えてくれた坂井さん

 2023年度は、ポッポ汽車展示館で5回の体験乗車会が予定されている。日程は、2023年5月4日(木)、6月25日(日)、7月30日(日)、8月26日(土)、10月1日(日)。気になる方は、廃線跡巡りとあわせて足を運んでみてはいかがだろうか。

 取材協力=なつかしの尾小屋鉄道を守る会、尾小屋鉱山資料館
 写真=深野 未季/文藝春秋

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