大会の“ワナ”「ワンピース水着だと寸胴に見える⁉」
――ショックとは?
道端 フィットモデルはワンピースタイプの水着審査があります。それなりに準備して出たつもりなんですけど、ワンピースで体を見せるのは、すごく難しいんですよ。
――露出度の高いビキニより、ワンピースのほうが抵抗なく着れそうですが……?
道端 フィットモデルは、体型美を競います。ワンピースの水着で勝つには、ウエストがギュッとくびれていて、胸とお尻にパーンとボリュームがある体じゃないと。
――いわゆる「ボン・キュッ・ボン」ですか。
道端 そうです。もともとの体にメリハリがないと、スクール水着を着ているように見えるんです。私は胸もお尻もそんなにないので、ワンピースだとずん胴に見えて。
だから、私にはワンピースの水着は本当に似合わないです。大会で、他の選手の美しく鍛え上げられた体を見て、余計にそう思いました。実際に他の選手と並んでみると、皆さんケタ違いに、すっごい体なんですよ。
初の大会で「打ちのめされた」理由
――カレンさんのステージは、プロのモデルの貫禄を見せつけたのではと思いますが。
道端 フィットモデルの大会ではいくつか入賞もしましたが、毎回反省ばかりで。自分がどれだけダメなのかを思い知りました。打ちのめされましたね。
筋トレってだいたい、一人でやるじゃないですか。他の人が近くにいても、トレーニングウェアだと本当の体型はわからない。それに、どの選手も大会前は、体を限界まで絞り込むんです。
――筋肉をより綺麗に見せるために、水抜きや塩抜きをするといいますね。
道端 筋肉の「カット出し」といって、筋繊維を浮き上がらせます。そうやって追い込んだ肉体には、なんというか、凄み……のような迫力があって。これは自分も選手として、バックステージも含め、他の選手を間近で見たことで、初めてわかりました。
それに比べたら、私は筋量も少ないし動きも下手で。大会後、「私も他の選手のようにカッコいい体になりたい!!」と思って、ボディメイクに本気で取り組み始めました。
ビキニを着ることで有利になった
――そして、ビキニフィットネス部門に転向。
道端 はい。転向した理由は2つあります。まず、水着がビキニなので、お腹が出るんです。私の体型はそのほうが綺麗に見えやすいかなと。
もうひとつは、フィットモデルはイブニングドレスでウォーキングを見せるんですが、これは今までのショーモデルの仕事に近いなと思って。新しい挑戦という意味で、一段上のビキニフィットネス部門に変えました。
――転向後の大会では、どんな成果が?
道端 2022年から大会に出始めて、8月に宮城県ビキニフィットネスオープン大会の158㎝超級で初優勝しました。このときも、控室で他の選手たちの素晴らしい体を見て、「あぁ、場違いなところに来てしまった……」と。
気持ちを切り替えてステージに立ちましたが、自己採点では100点中20点くらいだったので、結果発表では逃げ出したい気持ちで。