海から遠い内陸部に釣り堀があると聞いても何ら不思議ではない。コイ、ヘラブナ、ニジマスなど淡水魚の釣り堀は、立地に関わらず全国的に展開されている。

 しかし、千葉県には一風変わった釣り堀がある。そこではなんと内陸にありながらマダイやシマアジ、イサキ、さらには日本では生息していない高級食材のオマールエビ(ロブスター)まで放流されている。ただでさえオールスター級が揃っているのに、海外から大物外国人選手まで加わった異色の釣り堀だ。

このイケスの中に海釣りオールスターが潜んでいる!

 今回は陸でありながら海水魚釣りを楽しむことができる「海釣りハウス コリュッシュ」で週に1度開催される暗闇のオマールエビ釣りに参加してみた。

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牛舎を買い取って改装した釣り堀

 千葉県富里市にある「海釣りハウス コリュッシュ」。海から直線距離で20キロ以上離れた内陸にもかかわらず海水釣り堀を経営している。最寄駅は日本一短い鉄道で知られる芝山鉄道の終着駅「芝山千代田駅」。しかし徒歩90分のため移動手段は車一択になる。

 都内から車で向かうこと1時間、富里インターを降りて国道296号線を九十九里方面に進む。

真っ直ぐ進むと九十九里浜に突き当たる

 国道では飲食店が散見されたが、脇道に入るや否や農村風景に様変わりする。四方を見渡してもマダイやオマールエビとは無縁の景色が広がっていた。

国道を曲がると直ぐに田畑が広がる

 ナビ通り目的地に到着すると、田畑に囲まれた倉庫のような建物がポツンと建っていた。倉庫に見えるがここで合っているのだろうか……。

この看板を見逃すと通り過ぎてしまいそうだ

 立地と店名のギャップを感じざるを得ないが、ここが「海釣りハウス コリュッシュ」だ。

 オーナーさんに話を聞くと、酪農家から牛舎を買い取って改装し、釣り堀を開業したとのこと。我々の感覚からすると海水魚を扱う釣り堀なら当然、海に設置されたイケスで魚を放流するイメージだが、活魚問屋で働かれていた時に得た大規模な水槽を設置するノウハウが応用できたため開業場所を選ばなかったそうだ。

裏側から見てもやはり倉庫にしか見えない
代表の息子さんたちの名前をとってネーミングされたそうだ

 今回はレンタルタックルがあるため手ぶらのまま入店した。

 一体、中はどうなっているのか……?