1ページ目から読む
4/5ページ目

 大きなハンマー(フランス語でオマール)で威嚇する姿に強者の貫禄がある。釣られてもなお人間を恐れない、まさにザリガニ(ザリガニ下目)としての闘志を感じる。

 再開すると私の竿にも異変が……。

 ゆっくり仕掛けが右方向へ引っ張られている。警戒されないように進行方向へ竿先を傾ける。体感では30秒くらいだろうか、飲ませる時間を与えて竿を上げるとずっしりした重さが伝わる。

ADVERTISEMENT

 バレないように慎重に持ち上げると……。

 オマールエビ!

ゴムバンドでハサミを固定しているので素手で掴める
遠近感を誤ると仲間であるアメリカザリガニにそっくり

 海釣りに比べると水深は浅いが、精神状況としてはドン深の海底から魚を引き上げるくらい長いやり取りに感じた。また飲ませる間もまさに泳がせ釣りのようなタイミングの駆け引きがあった。しかしこの1匹で肩の荷が下り余裕ができたのか続けてヒット。

1人分のノルマは達成

想定外の大物がヒット! 釣れた獲物の正体は…

 前半が終了すると、再びくじ引きで席の入れ替えが行われる。

自身のテリトリー内のオマールエビはすべて釣って移動したい

 後半開始前には残りのオマールエビが放流され、フレッシュな状態で釣りが再開できる。前半釣れなくてもまだチャンスがある。

 消灯の合図で再び暗闇のオマールエビ争奪戦がスタート。

 放流後の個体は餌に対して反応が良いが、前半に釣れ残った個体は警戒心が高いのか、アタリが出ても乗りづらさを感じた。

 後半も折り返しに差し掛かったところで顧問の竿に異変が……。底に沈むブロックに根がかりしたかと思われたが、これまでとは比較にならない重量の何かが浮上してきた……。

大きすぎてなかなか網に入らない

 釣り上げたのは、なんと1kgを越えるジャンボオマールエビだった。お店のブログでも告知されていた大物だ。

挟まれたらひとたまりもないだろう
この写真をツイッターに上げると密漁感から炎上しかけた

 他と比較するとサイズの違いは一目瞭然。

親子ほどの差がある

 2匹分の釣果と言っても良いだろう。私も1匹追加して合計、5匹の釣果で終えることができた。

特大賞
最初の雰囲気とは打って変わって楽しく釣りができた

オマールエビを食べてみた

 せっかく生きたオマールエビなので、1kg級はお刺身にしていただくことに。

台所が渋滞している

 鮮度が高いため、包丁を入れると身が弾むように反応する。また透明感のある身質が美しい。

肉量が凄い