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中国人相手に“1ヶ月で200万円”稼いだことも…日本人デリヘル嬢が明かした「夜の爆買い事情」

『ルポ歌舞伎町』 #4

2023/03/11

genre : ライフ, 社会

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 しばらくしてアユは、プレイヤーではなく紹介だけに専念することにした。一度紹介した女の子がまた別の案件をこなしたときも、アユに紹介料が入る「永久バック制」であることが途中でわかったからだ。

「キャバ」と「高級デリ」の兼業者は多い

 アユは高級デリヘルで働く女の子だけに的を絞り、勧誘しまくった。それには理由がある。

「高級デリヘルって単価が高い(客の支払額が5万円以上)ぶん、お茶を引くことも多いんです。だからみんな、キャバクラやったりパパ活やったりしながら常にパパを探しているんです。むしろ、パパとの関係が切れたときに高級デリヘルなりキャバクラなりに出勤して、パパ狩りをしに行くイメージですね。歌舞伎町のキャバ嬢も、六本木のキャバ嬢も、西麻布のラウンジ嬢も、単価が高ければ身体を売ることに抵抗なんかないですよ。私みたいに、キャバクラと高級デリヘルを兼業している女の子って、めっちゃ多いんです」

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 それには、キャバクラのスカウトへの報酬が、「永久バック制」ではなく「買い取り制」であることが影響している。

 たとえば、100人近い女の子が在籍している大型店舗でも、常時出勤している稼ぎ頭はせいぜい30人くらいである。店にとって残りの70人は、繁忙期のための駒にすぎない。しかし、駒とはいえ時給は常に高水準をキープしている。アユが所属している歌舞伎町のキャバクラは、月に一度も出勤しなくても時給が6000円を切ることはない。

 店はとにかく駒たちを甘やかし、繋ぎ留めておく。人手が必要な繁忙期になるたびに、スカウトから女の子を買い取っていたら採算が合わないからだ。

一大売春ネットワークを築き上げた中国人とは

「閑散期の高級デリヘルは詐欺が通用しなくなってからは、予約が入ったらラッキーくらいの世界。そういうときはキャバクラ店の弱みにつけ込んで、時給泥棒をしに行くんです」

 ホストの田口は「風俗嬢とキャバ嬢はメンタルが違う」と言っていたが、その両方をこなす高級デリヘル嬢もまた、違うメンタルを持っているようである。

 リッツカールトンに高級デリヘル嬢を派遣し、箱根には団体を送り込む――。女の子に女の子を紹介させ、日本の風俗業界の背後に一大売春ネットワークを築き上げた中国人とは一体どんな人物なのか。直接顔を合わせているアユも、その素性は一部しか知らない。

 アユの働いていた高級デリヘルに客として訪れた中国人セックスブローカーは、江東区・葛西に住み、日本人の妻がいる。「この仕事をするために日本に来た」と言っていたそうだ。