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千代田線“ナゾの終着駅”「綾瀬」には何がある?

春からより強烈になった“トラップ”の影が…

2023/03/27

genre : ニュース, 社会,

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東側の改札を出て、北側の線路沿いの道に出る

 さて、そういう理屈をつけて綾瀬駅にやってきた。見方を変えれば綾瀬駅は千代田線の駅でもあり、常磐線の駅でもあるということになる。ただ、管理しているのは東京メトロ。なので、駅名標やら何やらはメトロの仕様。

 高架駅だから、階段を降りて高架下のコンコースに出て改札を抜けることになる。出入り口は、東口と西口のふたつ。どちらからも、高架の線路の南北に出られるようになっている。

 今回利用したのは東口だ。東側の改札を出て、すぐに北側の線路沿いの道に出ると……まず目に留まるのは工事中の仮囲い。その壁面には「シティタワー綾瀬」などと大書されている。

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 綾瀬駅の目の前で建設中のタワーマンションで、地上なんと32階建て。クレーンのたっている工事現場の向こうにはアパホテルも見える。お隣にはヨーカドー。もっと下町情緒のあるようなエリアかと思っていたら、大開発は当たり前のように及んでいたんですね……。

『こち亀』の亀有はすぐお隣。高架沿いの商店街に漂う“それらしい雰囲気”

 といっても、高架沿いの商店街を中心に綾瀬駅の周りを歩けば、やっぱり庶民的な空気感が濃厚だ。高架下にはいかにもそれらしい飲み屋が建ち並ぶゾーンもあるし、個人経営の商店の数も多い。

 駅から少し離れたところでそうした空気感は変わらず、綾瀬という町の特性は庶民派の下町という点にあるであろうことがうかがえる。常磐線でひとつお隣にいけば『こち亀』でもおなじみの亀有駅だ。

 隅田川も荒川も渡ったさきで、江戸川を渡るその手前。大河川に挟まれたいわば中州のようなこの一帯は、東京東部の下町であることに疑う余地はない。

 

 おおざっぱな言い方をすれば、いまのようにタワマンが建ち並ぶ前の武蔵小杉にもよく似ているような気がする。小さなアパートやマンション、駅の周りにひしめく飲食店や商業施設といったラインナップはまさにそれだ。そしてちょうど駅前にタワマンが建設中というあたり、綾瀬という町も大きく変わりつつあるのかもしれない。