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渡辺徹も心配する子役時代「あんなにおとなしくて、この世界大丈夫かな?」

――「おとなしい本好きの綾波レイ」では、児童劇団では浮いてしまったのでは?

平野 活発な子が多かったですからね。子役時代には「子どもらしくない」「印象に残らない」と、よく指摘されました。

 任天堂さんのゲーム情報番組『マリオスクール』(テレビ東京)のレギュラーに選んでもらったんですけど、子役が大勢いるなかで私だけがシーンと黙っちゃう。番組の司会だった渡辺徹さんは「あんなにおとなしくて、この世界大丈夫かな?」と心配してくれていたそうです。ずっと後になって『ウチくる!?』(フジテレビ)で縁のあるゲストとして出演してくださったとき(2012年7月29日放送回)に、徹さんが「向いてないんじゃないのかな、と思っていた」とおっしゃっていました。

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――印象に残るくらい、おとなしかったんですね。

平野 ずっと黙っていましたからね。

眼が見えない、言葉が出ない、腕がしびれて…中学1年生で抱えた突然の病気

〈学生時代から「仕事」として芸能界に関わり始めた平野。「本当に子役時代はパッとしなかった」と語る彼女は、この頃、体調にも異変があったという。〉

――中学生時代に、脳下垂体腫瘍に罹患したと聞きました。

平野 中学1年生のときです。ある日突然、学校からの帰り道で、片目が見えなくなりました。もう片方の目を閉じるともう真っ暗で……。

 また、視力以外にも症状がありました。家では母がいつもどおり、おやつをつくって待っていてくれたんですけど、その症状を伝えようにも、うまく言葉が出てこない。そのうち片手も痺れて動かなくなってきたんです。

 さすがに様子がおかしいと感じた母にそのまま病院に連れて行かれて、MRIに入れられました。

 何度か検査した結果、脳下垂体腫瘍と診断されました。何日か学校を休んでいるうちに、だんだん言葉は復活してきて、手足も動くようになってきたんですけど、ある一定の期間の記憶だけポンとなかったりするんです。

――手術はしなかったんですか?

平野 当時、どんな手術なのかを聞いてみると「鼻の奥の骨を砕いて、そこから腫瘍をかき出す」と説明されました。いまはレーザーで除去できるみたいなんですけどね。

 ただ、鼻の奥の骨を砕くと声が変わってしまいます。そのとき、すでに声の仕事をしていたので、手術を受けるのはやめました。

――現在は、治ったんですか?