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戸田 ハロウィンは多分、その頃はそこまで盛んじゃなかったのでスルーでしたね。クリスマスは十字架や天使など、キリスト教的なモチーフはダメだったんですけど、うちでは「ツリーはOK」みたいな漠然としたクリスマスが行われました(笑)。
おそらく、クリスマスがキリスト教由来のものだということもわかっていなかったんだと思います。
信者ではないのに、脱退に踏み出せない理由
――戸田さんご自身はその宗教の信者というわけではないのでしょうか。
戸田 形式上、まだ信者ということになっているかもしれません。通常、信者の家に子どもが生まれたら、その子も名簿に入れられてしまうらしいので。
脱退の仕方を調べたこともありますが、熱心な信者である親に脱退を切り出すのは、今よりさらに関係が悪化するおそれがあり、なかなか踏み出せずにいます。
――ご自身の意思に関係なく、生まれた瞬間から信者として扱われてしまう可能性があるということですね。
戸田 ひどいですよね。母親は、私がテストでいい点を取ると、御本尊のようなものに向かってお礼を言うんです。でも成長するにつれて「私がいい点を取ったのはママが祈ったからじゃなくて、私ががんばったからなのに」とか「ママが同じように祈っていたお姉ちゃんは同じ点を取っていなかったよね」とか、子どもながらに矛盾に気が付くようになって。
土日になると、近所の信者の人が宗教の会合の勧誘にくるんですね。そのときに「テスト勉強をしたいので行きません」なんて言ったりするとすごく怒られるんですよ。その宗教の会合では、みんなが尊敬している「先生」が「勉学に励め」と言っているのに。
――それが中学生くらいの頃だったんですね。