戸田 とても大きな仏壇が家にあって、お祈りは毎日必ず行わなければいけないものでした。小さい頃は土日に宗教の集会に連れて行かれたり。結構当たり前のルールとされていたのは、「同じ宗教の子としか遊んじゃダメ」ということでした。
大きな宗教団体なので、ひと学区内に10人くらいはいたんじゃないかな。親からは「その子たちと一緒に帰りなさい」と言われていました。これに関しては宗教自体の教えなのか、母親の価値観なのかまではわからないんですが……。
――どちらにせよ、人間関係において大きな制約があったと。
戸田 そうですね。その宗教以外の子たちは基本的に母親が否定をしていて。例えば私が「誰々と遊んだよ」と言っても「その子は意地悪だから一緒に遊んだらダメ」と言われたり、母親はその子の情報を何も知らないのに、そういう風にされていました。
友達からもらった他宗教のお守りは捨てなきゃいけなかったし、読んでいた漫画にたまたま鳥居の絵が載っていたりするとその部分を破かれてしまったりもしました。
同じ宗教の2世の子たちの中には、友達にもらった他宗教のお守りを、目の前で親に燃やされた子もいました。それくらい、物理的に他の宗教のものを見せない、排除、みたいなところはありました。
学歴にずっと宗教の名前が付いてくる可能性もあった
――私の想像以上にハードな体験をされていたんですね。
戸田 でも子どもはピュアなので、宗教2世であれ3世であれ、友達として仲良くなっていくんですね。そうすると中学生くらいになれば、近所でその宗教の名前が付いた中学校を受験して入学していく子もいて。
私は経済的な理由でその中学に進学しなかったのですが、母親から「お金さえあったらそこに入れるのに」と言われていたので、そう思うとちょっと恐ろしいです。学歴にずっとその宗教の名前が付いてくることになってしまうので。その学校に入った子たちは今、どうしているんだろうと思うときはあります。
あと、親からされていた制約としては「神社や教会に行っちゃだめ」というのもありました。
――クリスマスやハロウィンなどのイベントはどうでしたか?