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「監督なんて、えこひいきの塊」

押井:宮崎駿を尊敬しているからですよ。佳境になると帰宅するのも許してくれないけど、自分も帰らずやっていますからね。

巨匠・宮崎駿監督 ©文藝春秋

――でもそれは、家よりスタジオのほうが……。

押井:そうです。自分は家に帰りたくないからです(笑)。それに、えこひいきの塊。上に立つ者は平等に接すべきとはよく言われるけど、そんなことありえませんから。一緒に何かをする場合、肌が合わないとか、虫が好かないとかあるのは当たり前。人間だからしょうがないんです。うちの師匠なんて「監督なんて、えこひいきの塊だよ、押井くん」ってよく言ってましたから。

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――当然、押井さんはえこひいきされたほうですよね。

押井:ものすごく気に入られた。優秀な弟子だったから。あとは気配りができた。わたし、上のおっさんと付き合うの上手いんですよ。

――おやじたらしですね。

押井:だから女たらしにはなれなかった(笑)。鈴木敏夫のような人間たらしというのもいますけどね。人間たらしの天才。

――では、この相談者に対する答えは?

押井:「人間関係を築こう」。だけど、それがおっくうなら、仕事以外の話はしない。でももし、この人が仕事の上でやりたいことがあるのなら、部下との信頼関係を築くことを大切にしたほうがいい。そうすれば、セクハラやパワハラとは騒がれない。それでも相手が騒ぐなら、そんなバカは放っておけばいいんです。

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