中山キャスターと中丸さんのやりとりは「組織の体質改善を重ねてきた」とジャニーズ事務所側の実績を肯定するものだった。創業者で前社長のジャニー喜多川氏の時代に起きた“性加害”。その時代と今の経営体制とは違うとはしながら、前の時代から努力してきたのだと事務所のこれまでを評価する姿勢を示したと言っていい。
ジャニーズ事務所=性加害というイメージをこれ以上広げないように事務所側を擁護するスタジオトークだった。
所属タレントが事務所の方針を「妥当」とコメントする不可解
(中山キャスター)
「2つめ……。弁護士をトップとする外部専門家3人による再発防止特別チーム……」
(中丸さん)
「これは僕は一見、なんか、先代亡くなっているのに再発防止も何もないじゃんみたいなこともちょっと思ったんですけど、よくよく考えてみると、じゃあ、何でこの問題が起きたのか、というのをプロの視点から分析しなきゃいけない。
ちゃんと洗いざらい出して、原因は何でしたかと結論が出ない限りは……。
たぶんないとは思うんですけど、(今後も)何か同じような大きい、リスクを背負ってしまう可能性も、もしかしたらあるかもしれないと考えると、この(再発防止チームの)設置も賢明な、というか、妥当な判断だなと思います」
冷静に考えてみれば、非常に不思議な光景だ。事務所の社長以下、経営陣が発表した「3つの対応」について、情報報道番組で所属する一タレントが出演者としてテレビでコメントする。「賢明」「妥当」などとして評価する。
中丸さんはいったいどういう立場なのだろう。不可解な立場である。番組はなぜ彼に話をさせたのだろうか。そもそも中丸氏がジャニーズの“性加害”問題についてコメントしたのは、他の出演者と同様に番組側があらかじめ絞り込んだ5つ程度の項目から「気になるニュース」を選んだ末という流れだった。
「慎重にコトを進めていってほしいなと思いますね」
中丸さんは組織のリスク管理に関心があるらしく、リスクをいかに少なくするかという視点でのコメントが目立つ。
(中山キャスター)
「3つめ(の対応策)……」
(中丸さん)
「さっきの話と通じるものがあると思うんですけど、やっぱその時、身内の中では正常だと思っていても、引いて見てみると、ちょっとその、危ないかもみたいなところがあるのかな、ということがあると思うのですけど、リスクの払拭じゃないですけど、そこに期待しての設置かなと思いますね」
(中山キャスター)
「ここからはいろんなことを浮き彫りにして、しかるべきかたちをとっていく……、ということで、声を出せなかった人たちも(声を)出してくださいということでもあるわけですね」
(中丸さん)
「丁寧に、慎重にコトを進めていってほしいなと思いますね」