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「家の価値はゼロと言われた」実家を600万円で売却、20トンのゴミ処分…松本明子(57)が語る「実家じまい」の苦労

松本明子さんインタビュー #2

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松本 私の祖父の先祖が丸亀藩の武士だったからか、日本刀や刀掛けなどの骨董品もありましたし、陸軍大佐だった祖父のサーベルなんかもありました。日本刀やサーベルは持ち運ぶと銃刀法違反になってしまうので、地元の骨董屋に引き取ってもらって。刀掛けは先祖代々の物ということで、東京に持ち帰りました。

 あとは母親の着物や洋服もたくさんありましたね。引き取ってくれる地元の知人や、撮影用の衣装をレンタルしているところに郵送したり。久本(雅美)さんがいる劇団・ワハハ本舗さんにも持って行って、「使える衣装があったら引き取ってください」とお願いしました。

実家に残されていた、陸軍大佐だった祖父のサーベル(写真提供=松本明子さん)

父の官能小説やエロ本など、廃棄処分になった物は約20トン分

――お父さまの物もすごい量だったそうですね。

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松本 本が2000冊くらいありました。建設系の専門書や文学集、官能小説もありました。あと、父が大事に隠し持っていたエロチックな本もあったりして(笑)。それはみうらじゅんさんに差し上げました。残りの本は神保町の古本屋に持っていきましたけど、なかなか買い取ってもらえず。売れても二束三文でした。

父親が読んでいた本。売っても二束三文だった(写真提供=松本明子さん)

――松本さんご自身の物もたくさんあったんですよね。

松本 私が子どものときに使っていた物はすべてありましたね。小学生のときに使っていた教科書やノート、ハーモニカ、習字や裁縫の道具、彫刻刀まで。全部大事に保管されていました。

松本さんが子どもの頃に使っていた物も両親が大事に保管していたという(写真提供=松本明子さん)

 あと、私が仕事で使った衣装とか、番組でいただいたトロフィーを実家で保管していたのですが、それも捨てずに取ってありました。

――ご両親から大事に育てられたとおっしゃっていましたね。どれも大切な思い出だから、捨てられなかったのかもしれません。

松本 両親は私が出演していた番組をすべて録画してくれていたみたいで、押し入れの奥からビデオが何百本も出てきて。それは東京に持ち帰って、専門業者さんにDVDに焼き直してもらったんですよ。そしたら、ダビング代だけで約40万円もかかってしまいましたね。

松本さんが過去に出演していた番組はすべてビデオに録画されていたそうだ(写真提供=松本明子さん)

――家財や遺品の整理にもお金がかかるのですね。

松本 そうなんです。家にあった大きな仏壇を地元の仏具屋さんに引き取ってもらったんですが、それだけでも3~4万円はかかりました。家一軒を片づけるのは本当に大変なんです。

――廃棄処分になった物はどれくらいありましたか?