1ページ目から読む
4/6ページ目

【第3ブロック:第21~35局】(利き手側:糸谷)

 昼食休憩後は頭がやや鈍っているなか、15局連続とハードな時間帯になった。

 第22局で佐藤は得意の横歩取りから鮮やかに詰まして快勝するも、第28局でまさかの大頓死を食ってしまう。

第28局の図面

ADVERTISEMENT

 図は▲5五金と持ち駒を打ったところで、△同玉なら▲3三馬△4六玉で問題なかった。ところが△5五同歩と応じたため、▲5四金の1手詰め。この瞬間に佐藤は大声で「うわっ!」とのけぞった。残り1秒だった糸谷の神がかり的な勝利ながら、秒に追われて形勢も苦しい中で頓死筋を見つけ、表情や指し手のペースを変えずに勝負手を放ったところに芸がある。そうでなければ佐藤も騙されないし、当然ながら頭の回転が速くないとできない。佐藤も直前に玉頭を警戒する受けを指したばっかりだったので、金捨ては盲点になっていただろう。超早指しならではのファインプレーだった。

第28局の大頓死
 
 

総合→佐藤12勝、糸谷23勝
第3ブロックの勝敗→佐藤4勝、糸谷11勝
切れ勝ち→佐藤0回、糸谷4回