【第1ブロック:第1~10局】(利き手側:糸谷)
※手数はすべてドワンゴ調べ。リアルタイムでの計測は大変ながら、積み上がっていく手数にユーザーは盛り上がった。後手勝ちなのに、奇数で終わっている記録もあるが、すべて出典ママとした。
開始直前、糸谷に話を聞くと「かっ飛んでいる企画だと思いました。昔、山崎隆之八段と練習将棋で1分切れ負けをよくやっていたので、持ち時間が倍になっているなら指せないことはないかと。ちなみに山崎八段のほうが指すのが早く、時間も切れません」と答えた。糸谷は将棋界でトップクラスの早見え、早指しで知られる。それを上回る棋士がいるとは……。昔、山崎八段はNHKの将棋番組の企画で1分切れ負けを戦い、圧倒的な勝率を誇った。森信雄七段門下は才能豊かな棋士が多い。
佐藤も今回の企画にびっくりしたそうだ。2分切れ負けはほとんど経験がないものの、「こういう条件のなかでしか生まれない面白い将棋に期待しながら受けた」という。
ふたりとも2日間で100局指すのは少年時代を含めても経験がないようで、スタミナについては「疲れても、脳と腕は取り換えられない」と苦笑していた。
第1局の戦型は、糸谷が愛用している後手一手損角換わり。あまりの猛スピードに解説陣があれよあれよという間に、先攻してリードを奪った。問題は残り時間で、いくら形勢がよくても切れ負けになっては意味がない。途中は時間に追われた佐藤が持ち駒の銀を成銀と打ってしまい、慌てて直す場面もあったが、最後はきれいに詰まして勝ちきった。しかし、そこから糸谷が8連勝と一気にリードを奪う。時間切れ勝ちが3局もあり、前評判通りの実力だった。
総合→佐藤2勝、糸谷8勝
切れ勝ち→佐藤0回、糸谷3回