「間に淡路」「味が悪いね」…将棋一家ならではの会話
塚田 あと、動画での質問などで「塚田家はどのような家庭ですか」と聞かれることがあります。うちが他と違うことはわかるんですけど、何が違うのかがよくわからないですね。食事時に将棋のことを話し出して箸が止まってしまうということは、将棋一家ならではなのでしょうか。
久保 食事をしているときに将棋の話をするというのはうちではないので、ビックリしました。家の中で娘と将棋の話をしたことは一度もないかもしれません。会話としては、娘が好きな歌手グループ「NiziU」の話とか、あとは自宅のテレビではほぼ野球を見ているので、野球の話とかですかね。最近、娘も野球についてわかってきてくれたのはうれしいですね。
――将棋の話でなくとも、将棋指しならではの会話というのはありますか。
塚田 久保先生の前で言うのもなんですが、うちでは一時期「間に淡路」が流行っていました(笑)。
久保 師匠本人(淡路仁茂九段)も言っていましたからね(笑)。将棋指しならではの言い回しはもちろん使っていますけど、無意識に出るものなのでどうかなあ。そうそう、棋士同士で外食しているとき、指し手の評価で業界用語の「味が悪いね」と言うのはやめたほうがいいなという話はありましたね。
結婚…「する前にタイトル取ってよ」「その時のことは…考えたくない」
――先ほど、将来はタイトルを取って欲しいという話はありましたが、改めてお嬢さんに女流棋士として期待することはなんでしょうか。
塚田 棋士は対局がメインなので、プレイヤーとして行けるところまで行って欲しいですよね。結婚したことに反対するわけではないけど、結婚する前にタイトル取ってよ、タイトル取ってから結婚すればいいのにと思いましたね。
(一同爆笑)
――以前の動画中継で、塚田先生は恵梨花さんのお相手は自分より将棋が強くないとダメと言ったことが話題になりました。
塚田 あれはもちろん冗談だったんだけどねえ。でも当時の独身棋士で見ると、あまりいなかったんだよなあ。補足しておきますが、娘の相手は一般の方です。
――久保先生はいかがですか。
久保 その時のことは考えてないというか、考えたくないというか(笑)。
塚田 タイトル取ってから結婚とは言ってなかったんだけど、言っておけばよかったなあ。でも最近はA級に上がったから、結婚したのがよかったのですかね。努力が花開いたかなとは思います。でもこれからですよね。A級に上がって喜んでいるだけだと来年陥落ですから。それに今の女流棋界でタイトルを獲るのは大変ですよね。里見さん(香奈女流五冠)と西山さん(朋佳女流三冠)が強過ぎるから。
久保 棋士はやっぱり、若いころのほうが強くなりやすいんです。ですから25歳くらいまでに詰将棋をずっとやるのがいいと言っています。