〈あらすじ〉
1974年、パリ。女性初の大臣シモーヌ・ヴェイユ(エルザ・ジルベルスタイン)が提出した人工妊娠中絶の合法化法案が可決される。カトリック人口が多数を占め、さらに男性議員ばかりのフランスの国会では快挙だった。また、1979年には女性で初めて欧州議会議長に選出され、男性理事たちからの猛反対の中、「女性の権利委員会」の設置を実現した。
弱者の人権を守るために不屈の意志で闘い続けたシモーヌは、晩年、自伝の執筆のために記憶を辿る。南仏ニースで過ごした幸せな幼少期。しかし1944年、16歳のシモーヌ(レベッカ・マルデール)は家族とともにアウシュビッツ収容所に送られ――。
〈解説〉
2017年に逝去した政治家シモーヌ・ヴェイユの伝記映画。監督・脚本は『エディット・ピアフ 愛の讃歌』『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』のオリヴィエ・ダアン。140分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆壮絶な人生ながら、女ならではの優しさや柔らかさを感じさせるヒロイン像になっている。フランスの国会風景、オシャレ!
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆負荷の大きな人生に挫けない気力と体力には感心するが、歴史の教科書を読まされている印象も。映画的快楽が足りない。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆女の分際で生意気と言われる時代に圧倒的な強さで闘ったシモーヌ。強制収容所と戦後の描写が強さを重厚に裏付ける。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆大ぶりの語りが迫力に転化している。傑出した個人の体験に深く刻まれた仏の戦後史。疾風怒濤の渦に巻き込まれる様だ。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆ピアフ、モナコ公妃に次ぐ女性アイコン的なヴェイユ。歴史の伝達や聖人伝的な理想以外に哲学や詩的さも感じられたら。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATION
『シモーヌ フランスに最も愛された政治家』(仏)
7月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
https://simonemoviejp.com/