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「絶対死んどるわ」集団リンチで半殺し→港に連れていかれ…うっかり“ヤクザの女”に手を出してしまった「男の末路」

『関西ヤクザの赤裸々日記』 #4

2023/08/20

genre : ライフ, 社会

note

ヤクザの女に手を出した男の末路

 組員のほとんどが、警察に連れていかれた。とりあえずワシと、全く使えない組員、若頭、この3人で事務所ごとをやっていくことになった。とはいえ元々、組の大事な金の管理や色々な帳簿関係は、若頭と事務局長。雑用係はワシと、使えない組員がやっていたので、仕事量はさほど、増えたわけでもなかった。せやから、ワシの生活には変わりはなかった。

 そうして、今までと変わらぬ日々を過ごしていた。

「親分の件やが。相手のおっさん、意識不明やったが、意識戻った言うから行ってきてな。銭、渡して示談にさしたから、来週皆出てくるからな」

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 若頭からの突然の通達やった。

 港でボコボコにリンチされて家に放り投げられた後、おっさんは救急車で病院に運ばれた。10日ほどは意識不明だったらしい。意識が戻った時には若頭たちがおって、目の前に金を差し出しとるいうわけや。

「金をやるから示談にしろ」

 目が覚めたおっさんの目の前には、金が積まれている。

 ここはどこ? 私は……なんて状況やん。それで間髪入れずに、脅して示談にさせた。

 おっさんからすれば、そりゃ受けるやろ。親分の女に手ェ出したおかげであんな目に遭うて、気がついたら「金をやる」や。「金貰えるだけマシ」思うてまうやろ。

 まあ、ワシもこの時には「やっぱり死にかけてたんや」なんて思うたし。そりゃあ、あの夥しい血の量や。トラウマ級の光景を目にすれば絶対死んどるとしか思えへんわ。

 殺しかけるという無茶苦茶をしておきながら、最後は金と脅しで解決。どこの誰だかもようわからんおっさんの話やが、ワシは人殺しになる寸前やった。女が絡むと、ろくでもない。勘弁してくれと、心の底から思ったわ。せやけど、まさにこれが極道いうやつや。解決法まで暴力。これが悪の道を極めることやなんて思うたら、そんときはさすがやのォとしか思われへんかった。

関西ヤクザの赤裸々日記

関西ヤクザの赤裸々日記

てつ

彩図社

2021年11月17日 発売

「絶対死んどるわ」集団リンチで半殺し→港に連れていかれ…うっかり“ヤクザの女”に手を出してしまった「男の末路」

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