〈あらすじ〉

 1949年、ニューヨーク。ナチスの強制収容所から生還したハリー(ベン・フォスター)は、人気ボクサーのマルシアノと対戦し、有名になることで、8年前に生き別れた恋人のレア(ダル・ズーゾフスキー)を見つけ出そうとしていた。そのきっかけを作るために、記者アンダーソン(ピーター・サースガード)に収容所での体験談を告白。それは、ナチスの中尉(ビリー・マグヌッセン)が主催する賭けボクシングで、同胞のユダヤ人と戦って生き延びたという衝撃的なものだった。ハリーは一躍時の人となるが、レアの消息はつかめないまま選手を引退し、別の女性ミリアム(ヴィッキー・クリープス)と結婚した。

 14年後、ハリーは二人の子供に恵まれるも、実は妻にすら打ち明けられない、収容所の記憶に苦しみ続けていた。そこへアンダーソンが、レアの住所を手に現れる。

〈解説〉

 ホロコーストを生き抜いた男の実話を、『レインマン』のバリー・レヴィンソン監督が映画化。129分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★★生還するまでの描写は勿論、生還後のトラウマとの闘いは、さらに苛酷に思える。モノクロとカラー併用でわかりやすく。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆R・マルシアノの相手にこんな経歴の人がいたとは。冗長な語りもあるが、痩せこけた肉体の死闘場面が脳裡に焼き付く。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆強制収容所での生き残る術が実話ということに涙。戦後のハリーの姿はどこにでもいそうなオジサンだけになお悲しい。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆苦難の移民×ボクシング。米国に渡った傷だらけの男の魂が熱い。デ・ニーロ・アプローチで迫る主演者に星一つ進呈。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆『レイジング・ブル』想起するもリングで悪魔祓いするホロコースト生存者を描く独特で複雑な視点。V・クリープスに星。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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INFORMATION

『アウシュヴィッツの生還者』(カナダ、ハンガリー、米)
8月11日(金・祝)より新宿武蔵野館ほか公開
https://sv-movie.jp/