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そもそも、那須塩原駅に乗り入れているのは東北新幹線だけではない。在来線、JR宇都宮線(東北本線)も乗り入れる。新幹線の高架ホームの存在感があまりに大きいから見逃しがちだが、新幹線とは反対の東側に在来線のホームがある。
ホーム上を跨ぐ跨線橋を渡れば、那須塩原駅の東口に通じる。規模は西口よりは小さいが、こちらにもちゃんと駅前広場がある。タクシーが何台か停まっているし、駅前から斜めに伸びる道沿いはいかにも昔ながらの商店街。駅前旅館があれば薬局、米穀店、文具店にお肉屋さん。呉服店の看板を掲げる洋品店もある。並んでいる建物もどことなく古めかしい。
この道を少し歩くと、国道4号(陸羽街道)に出る。「東京から158km」などという標識も建っている。クルマ通りはもちろん多く、交差点には「那須塩原駅入口」と掲げられている。つまり、歴史的にはこの国道4号に近い東側が本来の那須塩原駅前なのである。
125年前に開業。長年「ターミナルに挟まれた小駅」だったはずの場所に何が…?
那須塩原駅が開業したのは、1898年のことだ。そのときはもちろん新幹線はなく、駅の名前も那須塩原ではなく東那須野駅といった。東那須野村という村に設けられた駅だったから、というのが駅名の由来だ。
もともと東北本線が開業した時点では、北に黒磯、南に西那須野という駅が先行して開業している。いずれものちに那須高原や塩原温泉の玄関口として一定の存在感を示すことになるターミナルである。