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彼と出会い、2人でワーホリを目指すもコロナで挫折

――銀行員を辞めようと思ったきっかけはなんだったのでしょう。

あかね もともと、社会人4年目になったら銀行を辞めて転職しようと考えていました。ただ、軽バンで生活しながら日本一周の旅をするようになったのは、彼との出会いがきっかけです。彼は自分の興味や好みを追求する人で。高校卒業後はバックパックひとつで海外や日本を旅していました。周りからは「ちゃんと働いたら」などと言われることもあったそうですが、それでも自分の決めた道を選択していた。

 その姿を見て、素直に「羨ましいな」と思いました。同時に「自分の人生なんだから、誰にどう思われようと自分が幸せならそれでいいんだよな」と思えたんです。

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パートナーのはやとさんとの出会いが、あかねさんの人生観を変えるきっかけとなった(写真=あかねさん提供)

――はやとさんの自分に正直な姿に憧れて、お付き合いが始まったのですね。その後、2人で旅を始めるまでの経緯というのは?

あかね 付き合い始めてから、「私も海外で旅してみたい」と伝えたら、「じゃあふたりでお金を貯めて、一緒に行こうよ!」と言ってくれて。銀行を退職したあと、2人でワーキングホリデーでフランスに行こうと決めたんです。それまでは、お互いに仕事やアルバイトを頑張っていました。

 でも、あとは現地に行くのみ、というタイミングで新型コロナウイルスが流行してしまって……。

――ワーキングホリデーに行けなくなってしまったのですね。

あかね ずっと追いかけていた目標がなくなってしまって、不安でしょうがなかった。ワーキングホリデーに行くために、すでに銀行も辞めていましたし。でも、そんなときも彼は前向きに「海外が無理なら、車中泊で日本一周しようよ!」と提案してくれたんです。

もともとはワーキングホリデーに行く予定だったが、コロナで車中泊の旅に切り替えたそうだ(写真=あかねさん提供)

――車中泊での日本一周には、もともと憧れがあったのでしょうか。

あかね ワーキングホリデーの次にしてみたかったことが、車中泊の旅だったんです。車中泊をしている方のYouTubeをよく見ていて、「いいな」と思っていました。好きな時間に、好きな場所で、好きなことをする。そして、好きな旅を仕事にしている。その姿に憧れていました。

 でも、まずは年齢制限のあるワーキングホリデーを優先させようと思って。それに、日本に帰ってきてからは結婚や子どものことも考えたかった。だから、日本一周を実現できるのは20年以上先のことだろうな、と思っていました。